第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医療機器管理

医療機器管理2

2024年6月22日(土) 15:20 〜 16:30 第2会場 (アネックスホール F203)

座長:藤原 道隆(名古屋大学)

16:00 〜 16:10

[99] 不具合発生から修理対応までの医療機器データフロー整備

藤井 雄介1,2, 相木 一輝1,2, 吉岡 由美1, 藤原 道隆1, 一柳 宏2, 沖 尚弥2, 久保 梨紗子2, 加藤 孝昭2 (1.名古屋大学医学部附属病院 医療機器総合管理部, 2.名古屋大学医学部附属病院 臨床工学技術部)

【背景】
医療機器で故障・トラブルが起こった場合,消耗品の交換から製造業者への修理が必要なものまで対応度はさまざまである.それぞれの不具合事象から発生した修理内容を詳細に入力できる一貫性のあるシステムが望ましいが,実際にはシステム構造と運用の点からデータ統合が課題である.
【目的】
報告者から対応者まで詳細な記載が可能なように,現在運用中の機器管理システムと不具合報告システムを使用して,医療機器の不具合に関しての現場報告から修理対応までのリレーションおよびデータフローを構築する.
【方法】
不具合報告システムと機器管理システムおよび,GoogleForm(以下Form)を使用した.不具合報告システムで現場入力をおこなったときに発行されたユニークID(UID)を外部キーに設定し,対応に関して機器管理システムに紐づくものは修理報告機能で対応入力,紐づかないものはFormでの対応入力とした.不具合報告システムと機器管理システムはともに同一ネットワーク内であるが独立したソフトウェアであり,またFormは外部ネットワークのため運用上データベース接続ができない.そのため対応入力する両システムに対して,定型的に UIDを入力させることで,擬似的にリレーションをおこなうことができ,理論上すべてのレコードに対してデータ参照することを可能とした.
【結果】
各データがリレーションされ,不具合報告から修理対応までの現在のデータフローを統合した.
【考察】
今回の構築上,各データを自動で紐づける外部キーをデフォルトで持っておらず,手入力で UIDを記入するといった致命的な欠陥を孕んだシステムである.理想としては1つのシステム内で完結できることが望ましいが,ネットワークインフラの整備やデバイスアクセスの観点から実現には経済的な問題が大きいと考えられる.