第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

心筋評価

心筋評価2

Thu. Sep 18, 2014 10:20 AM - 11:10 AM 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:森田佳明(国立循環器病研究センター 放射線部)

[O-1-009] MOLLI法における左心室心筋T1値の部位による差について:FAの違いからみた検討

木村智圭1, 大田英揮2, 永坂竜男1, 山中一臣1, 佐々木博信1, 根本整1, 上野結衣1, 上野裕理1, 小森芳秋3, 高瀬圭2, 齋藤春夫4 (1.東北大学病院 診療技術部放射線部門, 2.東北大学病院 放射線診断科, 3.SIEMENS Japan株式会社, 4.東北大学大学院 医学系研究科 画像解析学分野)

[目的]心筋のT1値を測定する方法としてMOLLI(Modified Look Locker Imaging)法がある。3T-MRI装置においてMOLLI法で計測された左室心筋のT1値は部位によって異なることが報告されている。本研究では、傾斜磁場不均一によるFAの違いがT1値測定に与える影響を検討した。[方法]装置はSIEMENS社製 MAGNETOM Trio a Tim system 3.0Tを用いた。拍動や呼吸の影響をうけにくい大腿部をMOLLI法とRF-mapのシークエンスで撮像した。MOLLI法より筋組織のT1値を算出した。RF-mapより位相画像を作成し、位相画像よりFAの設定値に対して実際に倒れた角度、実効値の相対差を算出することによりT1値との関係を評価した。次に、10名の健常者をMOLLI法で撮像し左室中隔と側壁のT1値を測定した。左室中隔と側壁のT1値の差を用いて、左室心筋のT1値が一定だと仮定したときのFAの相対差をシミュレートした。[結果]大腿部撮像より得られた、T1値とFAの関係は、ピアソン相関係数が-0.76となり相関を示した。FAの実効値は差が大きい部位では約-26度の差がみられた。FAの相対差に対してT1値の相対差の比は-3.6であった。10名の健常者におけるMOLLI法を用いた左室心筋のT1値は,中隔1188±38ms、側壁1105±52ms、T1値の相対差7.1±2.6%であり,有意差があった(paired t-test; p=0.001)。T1値が1188msと1105msの差は、シミュレート結果より、FAの実効値が-21.5度の相対差に相当することが算出された。FAの相対差に対してT1値の相対差の比は-3.8であった。[結語] 3T-MRI装置を用いたMOLLI法において,左室中隔と側壁のT1値は約7%異なり、FA実効値の-21.5度の相対差に相当することが算出できた。これはMOLLI法とRF-mapより求めたT1値とFAの関係とよく一致した。傾斜磁場不均一によるFAの違いがT1値測定に影響与えることが示唆された。