第42回日本磁気共鳴医学会大会

Presentation information

一般演題

頭部-血流動態

頭部-血流動態

Thu. Sep 18, 2014 2:10 PM - 3:10 PM 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:土屋一洋(東京逓信病院 放射線科)

[O-1-022] 4D-FLOW MRIを用いた脳動脈瘤内における血流動態の可視化

渡邉嘉之1, 國富裕樹1, 田中壽1, 塚部明大1, 有澤亜津子1, 松尾千聡1, 藤中俊之2, 富山憲幸1 (1.大阪大学大学院医学研究科 放射線医学講座, 2.大阪大学大学院医学研究科 脳神経外科)

【目的】脳動脈瘤の発生については遺伝的な血管脆弱性と血行力学因子の関与が考えられている。近年、CTAや3D-DSAを用いたComputational fluid dynamics(CFD)解析による血流解析が行われているが、MRIを用いて血流評価したものは少ない。本研究の目的は未破裂脳動脈瘤症例において4D-Phase Contrast(PC)-MRAを行い、その流線を表示することで、脳動脈瘤内の血流動態の可視化を行い、その血流パターンを検討した。【方法】対象は未破裂脳動脈瘤精査目的で、4D-PC-MRA(3D-Qflow)を施行した10症例(M:F=2:8,平均年齢63.8才:34-74才)、11動脈瘤(平均サイズ7.1mm、4.4mm-16.7mm)を対象とした。動脈瘤は内頸後交通動脈分岐部 4例、内頸眼動脈分岐部 2例、内頸前脈絡叢動脈分岐部1例、ICA先端部 1例、脳底動脈先端部 2例、前交通動脈1例であった。3T-MRI装置(Philips社製 Achieva TX)にて4D-PC-MRA (TR/TE=8.1/3.8msec FA=15、FOV=180mm, Matrix=192X192 →256X256、1.0mm/0.5mm, 55 slice、撮像時間15-20分程度)を撮像した。得られた画像は血流解析ソフト GT-FLOWを用いて動脈瘤および周囲血管の流線を表示した。【結果】すべての動脈瘤にて瘤内血流の流線を得ることが可能であった。その流線パターンは以下の4つに分類可能であった。単純血流型(1つの流れ):4例、分離血流型(2つの流れ):2例、血流交差型(瘤内に2つの交わる流れ)4例、頂点血流型(1つの流れとは別に血流あり):1例。動脈瘤を終末型(4例)、側壁型(7例)に分けると、終末型の2例は血流分離型、1例は単純血流型、1例は血流交差型であった。【結論】4D-FLOW MRIを用いて動脈瘤内の血流動態の可視化が可能であった。今後は個々の血流パターンから増大や破裂リスクの評価確立が望まれる。