第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

肝臓-高速撮像

肝臓-高速撮像

2014年9月18日(木) 13:30 〜 14:10 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:原留弘樹(日本大学医学部 放射線医学系画像診断学分野)

[O-1-118] 3D-g-factor mapを用いたCAIPIRINHAの最適化

佐川肇1, 藤原康博1, 松下達彦1, 長尾泰輔1, 村田勝俊2, 中川政幸1, 岡田知久3, 東村享治1 (1.京都大学医学部附属病院 放射線部, 2.シーメンス・ジャパン株式会社, 3.京都大学医学部附属病院 放射線診断科)

【目的】Controlled Aliasing in Parallel Imaging Results IN Higher Acceleration (CAIPIRINHA)は3Dシーケンスにおける新しい2D-Parallel Imaging (PI) 技術であり、スライスエンコード方向にサンプリングシフトを行うことで従来の手法に比べエリアシングアーチファクトが低減され、より高いReduction factorの使用が可能となる。しかしながら、CAIPIRINHAの面内における画像特性に関する報告はされているが、スライスエンコード方向の報告は少ない。今回は自作ファントムを撮像し、3D-g-factor mapを作成してスライス方向を含めたCAIPIRINHAの画質を評価する。【方法】装置はSIEMENS社製 MAGNETOM Skyra、受信コイルはBody Matrixコイル、Spineコイルを使用した。腹部の撮像領域を想定した大きさのファントム (PVA+Gd-DTPA)を作成し、Reduction factor 2、3、4、6においてフェイズ方向とスライス方向のPAT-factorの組み合わせ、およびCAIPIRINHAのサンプリングシフト量Δを変化させて30回の連続撮像を行い、voxel-by-voxelで3D-SNR mapを作成した。その後、g-factor = SNRfull / (SNRPI×√Reduction factor) の式よりそれぞれ3D-g-factor mapを作成した。3D-g-factor mapのMPR画像による視覚評価、および算出されたg-factorを用いてスライス方向も含めた比較を行った。【結果】スライス方向のPAT-factorが3以上になると、CAIPIRINHAを使用しない場合 (Δ= 0) ではg-factorが非常に大きくなったが、CAIPIRINHAを用いることで画質が大きく改善した。今回の実験で得られた各Reduction factorのフェイズ×スライスのPAT-factorの組み合わせ、Δの最適値はReduction factor 2では 1×2 Δ1、Reduction factor 3では 1×3 Δ1、Reduction factor 4では 2×2 Δ1、Reduction factor 6では 3×2 Δ1となった。【結論】g-factorはコイルの感度や位置によって変化するため、コイルの使用条件下ごとに最適化する必要があり、g-factor mapを利用することで最適化できる。