第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

fMRI-知覚

fMRI-知覚

Fri. Sep 19, 2014 1:40 PM - 2:20 PM 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:樋口敏宏(明治国際医療大学 脳神経外科学)

[O-2-154] 慢性期運動器不安定症患者に対する歩行訓練におけるresting state functional MRIの変化

松下明1,2, 五月女康作1,2, 中井啓2, 河本浩明1, 江口清3, 山海嘉之1,4, 松村明2 (1.筑波大学 サイバニクス研究センター, 2.筑波大学 脳神経外科, 3.筑波大学 リハビリテーション部, 4.筑波大学 システム情報系)

【目的】機能的ネットワークを反映したresting state functional MRI (rsfMRI) が、脳機能研究の分野で注目を浴びてきており、臨床においても応用され始めた。我々の施設では、ロボットスーツHALを用いた訓練の前後において、歩行機能評価と共にrsfMRIを行ってきた。その解析結果について考察を交え報告する。
【方法】慢性期運動器不安定症の患者に対し、HALを用いた訓練を16セッション(約2ヶ月間)行い、その前後で10m歩行テストおよびrsfMRIを行った。HALによる歩行訓練およびMRIの撮影を完遂できた22例を対象とした。rsfMRIは閉眼安静時の約6分間の撮影を行った。解析は、SPM8を用いた標準化の後、Functional Connectivity Toolbox (Conn)を用いて、Brodmann areaをROIとしたROI間の相関を求めた。その結果を訓練前後で比較した。なお、比較結果はFDRを用いた多重比較補正を行いp<0.05で示した。
【結果】ROI間の相関関係には、Default mode networkなど代表的な組み合わせが認められた。また、右体性感覚野と左側頭葉・前頭前野・縁上回を結ぶ相関関係に、訓練前後に変化を認めた。
【考察・結論】歩行訓練前後のrsfMRIにおいて、体性感覚野を含む機能的ネットワークに変化を認めた。リハビリテーションにおける感覚の重要性は以前から言われているが、機能回復時の直接の役割には不明な点が多く、今後もHALの関与、フィードバックの効果など、さらなる脳機能の研究が必要と考える。