第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

シーケンス

シーケンス3

2014年9月19日(金) 14:20 〜 15:00 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:瀧澤将宏(株式会社日立メディコ MRIシステム本部)

[O-2-226] MRエラストグラフィーにおける横隔膜ナビゲーターエコーを用いたスライス位置補正の検討

三好邦博, 尾崎正則, 荒井謙, 浅野健二, 池田仁 (GEヘルスケア・ジャパン(株) MR技術部)

【目的】
腹部領域のMRエラストグラフィー(MRE)は通常1回の呼吸停止で1軸に振動エンコード傾斜磁場(MEG)を印加し撮像する。一方、弾性率の推定精度の向上のためにMEGを複数軸用いる場合、撮像時間の関係から数回の呼吸停止撮像をする必要がある。その際、呼吸停止位置が撮像ごとに異なると、スライス位置にズレが生じ、弾性率推定精度の低下に繋がる場合がある。本研究は呼吸停止時に横隔膜ナビゲーターエコーによって横隔膜の位置を検出し、スライス位置を補正する事で、弾性率の推定精度を向上させることを目的とする。
【方法】
[横隔膜ナビゲーターを用いたスライス位置補正]
呼吸停止直後に横隔膜ナビゲーターエコーを追加し、呼吸停止時における横隔膜の位置を検出することで、リアルタイムにスライス位置を補正することができる。
[撮像装置及び条件]
本研究はGE社製 3.0T MR装置を用いた。弾性率の異なる物質を含むゲル状ファントム(OST社製)をスライス面に対して45度となるように設置し、体軸方向の位置ズレによって弾性率が異なるようにした。基準位置(移動距離0mm)に対して体軸方向に10mmおよび20mm移動させ、それぞれ撮像した。位置補正の有無における弾性率を基準位置と比較した。ROIは基準位置における単一構造のみを含む位置に設定した。
【結果】
基準位置における弾性率は1.89 ±0.39[kPa]であった。10mm移動させた時に位置補正を行わない場合、弾性率が2.47±1.14[kPa]となったのに対し、位置補正を行った場合は1.86±0.38[kPa]であった。20mm移動させた時には、位置補正を行わない場合の弾性率が3.16±1.58[kPa]となったのに対し、位置補正を行った場合には1.87±0.4[kPa]であった。
【結論】
横隔膜ナビゲーターを用いたスライス位置補正をMREに適用することにより、スライス位置のズレによる弾性率の変化を抑制する事ができた。