第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

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Fri. Sep 19, 2014 11:00 AM - 12:00 PM 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:瀬尾芳輝(獨協医科大学医学部 生理学教室(生体制御)

[O-2-252] 拡散強調像デジタルファントム(DWI-DP)を用いた拡散係数推定モデルの精度検証

藤原俊朗1, Le Bihan Denis2, 小川彰1, 小笠原邦昭1 (1.岩手医科大学医学部 脳神経外科学講座, 2.フランス原子力庁サクレー地区 超高磁場MRI研究センターニューロスピン)

【背景・目的】DWI信号モデルの絶対的な精度評価には、解析前後における値の再現性を評価する必要があるが、ヒトや動物で解析前の『真値』を求めることは不可能である。そこで本研究では、DWI信号モデル検証用ヒトデジタルファントム(DWI-DP)を作成し、再現性評価を行うことを目的とした。
【方法】ヒトの大脳基底核を含む水平断を模したテンプレートを作成後、それぞれの解剖構造に過去の文献値(Latt J, et al., 2013)を設定し、拡散パラメータマップを作成した(kurtosis、図1a)。次に、各マップ上のピクセル値を用いて、b値に応じたDWI信号(Si = S0_iexp{-bDi+Ki(bDi)2/6})を計算し、雑音のない理想的なDWI-DPを作成した(図1b)。最後に、雑音を付加したDWI-DP(図1c)から、曲線当てはめ処理を用いて拡散係数を推定した。DWI-DP作成および拡散パラメータ推定プログラムはMATLAB(The MathWorks, USA)にて開発した。
【結果・考察】スライス内において、平均値0、分散0.005%以上の白色雑音を付加した場合、高b値ではDWI-DPの解剖構造が不明瞭となり、推定された拡散係数Dマップの精度も悪かった。低信号雑音比の場合、雑音の種類が白色ではなくricianやrayleighに変化することから、高b値における白色雑音の影響が強すぎた可能性があった。
【結語】雑音の種類については、さらなる検討が必要だが、DWI-DPによって信号モデルの絶対的精度が評価可能となることが期待された。