第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

肝臓-DWI(計算)

肝臓-DWI(計算)

Sat. Sep 20, 2014 10:30 AM - 11:20 AM 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:増井孝之(聖隷浜松病院 放射線科)

[O-3-309] 肝臓におけるComputed DWI;合成に用いるDWIの最適なb値の組み合わせについての基礎的検討

掛川貴史1, 佐野勝廣2, 熊谷博司1, 池長聰1, 坂本肇1, 本杉宇太郎2, 若山哲也3, 市川智章2, 大西洋2 (1.山梨大学医学部附属病院 放射線部, 2.山梨大学医学部 放射線科, 3.GEヘルスケア・ジャパン)

【目的】Computed DWI (cDWI)は、拡散強調画像(DWI)から2点のb値の指数関数的信号減衰から外挿して異なるb値のDWIを合成した画像である。今回我々は肝臓MRIにおいてより高いb値のcDWIを作成し、その画質評価を行った。
【方法】MRI装置はGE社製 Discovery MR750 3.0Tを用いた。肝腫瘍患者10例から得られたDWI(b=0,200,500,1000 s/mm2)から、2つのb値のDWIを用いてcDWI(b= 2000s/mm2)を合成し、肝実質のSignal-to-noise ratio (SNR-L)と肝実質と肝腫瘍のContrast-to-noise ratio (CNR-M)を求めた。b値0 s/mm2と1000 s/mm2のDWIから合成したcDWI(b=2000s/mm2)をcDWI1 (0, 1000s/ mm2)とし同様に以下5種類のcDWI(b=2000)を作成した。cDWI2 (0, 500s/mm2)、 cDWI3(0, 200s/ mm2)、 cDWI4 (500, 1000s/ mm2)、cDWI5 (200, 500s/mm2)
これら5種類のcDWIのSNR-L, CNR-Mについて比較検討を行った。
【結果】cDWI(b=2000s/mm2)のSNR-LおよびCNR-Mは以下の通りである。SNR-L; ( cDWI1:cDWI2:cDWI3:cDWI4:cDWI5)=(4.7±4.1:2.9±3.1:1.2±1.5:3.5±3.2:5.4±4.9).低b値の組み合わせからから合成したcDWIのSNRは低い傾向があった。CNR-M; ( cDWI1:cDWI2:cDWI3:cDWI4:cDWI5)=(17.3±20.6:12.2±14.1:13.1±24.6:11.6±10.7:12.6±14.7).CNRに有意な差は見られなかった。
【結論】b値0s/mm2と200s/mm2および0s/mm2と500s/mm2の低b値の組み合わせから作成したcDWIのSNRが低い結果となった。肝臓におけるcDWIは低b値のDWIからの合成は望ましくないと考える。