[P-2-108] Real Asymmetric Fourier Imaging (realAFI)を用いた3D-FSEイメージングの検討
【目的】AFI法は、k空間にて非対称にサンプリングしたデータを用いても通常の0-filling再構成に比べ空間分解能の劣化を抑制しながら撮像時間やTEを短縮できる手法であり、代表的な手法としてMargosian[1]やPOCS法[2]、位相画像の不要なmagAFI[3]などがある。しかし位相情報を維持することができないため絶対値画像にしか適用できていない。今回は位相情報を維持することが可能な新たな手法であるrealAFI[4]の検討を行った。realAFIはIR pulseを併用したFSE系や、SE系の背景位相分布の小さなシーケンスであれば縦磁化の符号を維持できる手法(real-IR, phase-sensitive)である。real-IR自体はT1WやVessel Wall Imaging(VWI)などで有用とされ、FSEも3D化が進み高分解能・高速化が進んできている。今回我々はreal AFIを使用して可変flip angel(FA)を用いた3D-FSEであるMulti Planer Voxel (MPV)の基礎検討を行った。【方法】MR装置は東芝製Vantage Titan TM 3Tを用いて、ファントムおよび正常ボランティアに対し検討を行った。シーケンスはIR pulseを併用した2D-FSEおよびMPV を用いて、realAFIを行うための背景位相を推定するためのlow-pass filter (LPF)や、非対称側のsampling points: Kc、およびinversion time(TI)に対するパラメトリックスタデイを行った。評価は視覚的評価に加え、フルサンプリングした画像とのRoot Mean Square Error(RMSE)を求めることにより行った。【結果・考察】Kcを大きくするとフルサンプリングした画像との差は小さくなる。静止部は小さめでも十分だが、血管部分は多少大きめに収集したほうがエラーは低減した。T1W MPVではもともとのBlack Blood (BB)効果に加え、realAFIを用いることでTIが血液のnull point条件以下でも安定したBB化が可能で効果が確認された。realAFIはIR-MPVに適応することで空間分解能を維持しつつ、収集時間を短縮したT1WやVWIにおいて有用であることが示唆された。【文献】[1]Margosian et al. Health Care Instrum.1,195(1986); [2] Haacke. JMR, 92,126(1991); [3]Kimura T et al. Proc of ISMRM 2013, pp3740. [4] Kimura T et al. Proc of ISMRM 2014, pp4257