[P-2-182] 2D ASL法の精度に脈波同期、画像処理フィルタが与える影響
【目的】Arterial spin labeling(ASL)は非侵襲的な脳血流測定法として臨床応用され始めている。ASLの精度・定量化に関する要因には、ラベル効率や磁場強度,SNR, Vascular localizationの違い,Transit timeやInversion time2のタイミングなどが挙げられる。今回、1.5T MRI装置による2D ASL撮像のラベル効率とSNRの向上を目的とし、脈波同期および画像処理フィルタが与える影響についての検討を行った。【方法】使用装置はMAGNETOM Symphony 1.5T Tim upgrade (SIEMENS社製)Head matrix coilを使用。2D ASL:Q2TIPS法,TR=2500ms,TE=16ms,Inversion time1=700ms,Inversion time2=1800ms,Saturation stop time=1600ms,スライス厚=8mm,Ave=1.承認を得られた健常ボランティアに対し、頸動脈の拍動に対し脈波同期をかけたASL法と非同期ASL法を撮像し、関心領域のSNRの計測およびモーションアーチファクトの評価を行った。また、低周波通過型フィルタの強度を変化させ、フィルタ強度とSNR・画質との関係を評価した。【結果・結語】非同期ASL法に比べ、脈波同期をかけたASL法はラベル画像とコントロール画像の信号分散とノイズが少なくSNRの向上が得られ、同時にモーションアーチファクトも抑制された結果となった。また、画像処理フィルタの強度を上げるほどSNRは向上するが、空間分解能は低下するため、ASL法の精度と撮像時間を総合的に考慮したうえで至適フィルタの設定を行う必要がある。