第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム5

MRI企業における医療ニーズの把握と最先端シーズの創出

2014年9月20日(土) 09:40 〜 12:10 第1会場 (5F 古今の間北・中)

座長:井田正博(荏原病院 放射線科), 山本徹(北海道大学大学院保健科学研究院 医用生体理工学分野)

[S5-2] シーメンスにおける最新技術 ~技術開発から幅広い臨床応用へ~

村田勝俊 (シーメンス・ジャパン株式会社 イメージング&セラピー事業本部 リサーチ&コラボレーション部)

【はじめに】昨今のMRIにおける技術開発は、Fast、Quiet、Freezeという言葉で表すことができるが、単に最新の技術開発としてでなく、ルーチン撮影において有効に活かされることを前提としている。【Fast】Raw Data充填と画像再構成は様々な技術があるがそのなかの一つであるCAIPIRINHAはすでに臨床機に実装され肝臓の息止めによる負担軽減に役立っている。これを発展させたWave-CAIPIRINHAはさらなる時間短縮を目指して開発が進められている。複数の断面を同時に励起、収集するMulti-Bandは、fMRI収集の時間分解能をあげたり、DTIなど多軸の拡散強調撮影の時間短縮に貢献する。超高磁場の7T MRIにおいては特にこれらの高速撮影技術が必要で、Siemens自社開発の7Tマグネットとともにさらに完成度の高い超高磁場システムなる。【Quiet】全ての多チャンネル受信コイルにおける撮像の騒音を最大97%低減させるQuiet Suiteは、ローカライザ、TurboSEの各コントラスト、SWI、3D T1、MRAにおいて良好な画像が得られている。今後の日常臨床における全ての撮影を静音化するには、DWIを例外とはできないため、そのための開発を行っている。【Freeze】肝臓の3D T1撮影において息止めが不要なFREEZEitは小児や高齢者の腹部撮影の画質を改善する機能である。またnon-rigidな臓器の動き補正をおこなう機能としてはすでに肝臓および乳房ダイナミック撮影用VIBEがあるが、さらに心筋撮影における自動Perfusion Weighted Mapを可能にしたHeartFreezeが開発された。またMR-PETの同時収集が可能なBiograph mMRにおいては、MRIによる動き補正の情報をPET収集や再構成に適用させるBrain Compassによって同時収集の価値がさらに高まる。【おわりに】本講演では、シーメンスにおける開発の最前線にある技術を紹介し、それらが臨床の場において当たり前のように使える撮影となるように考えられているかを解説する。