第30回日本看護診断学会学術大会

大会長挨拶

第30回日本看護診断学会学術大会開催にあたって



 来る2024年7月27日(土)・28日(日)に、神戸市(神戸国際会議場)で第30回日本看護診断学会学術大会を開催いたします。コロナ対応が2類から5類に変わりましたが、パンデミックを経験して学会等の参加への認識も変化しているように感じています。対面での開催が当たり前のこととして実施できる状況にはまだまだ達していないのかもしれません。しかし、今回も前回第29回の学術大会同様、皆様のご参加を得てしっかりと意見を交わしていきたいと、対面で行います。
 今回の学術大会は第30回という節目になります。これまでの学術大会のテーマをみますと「アセスメント」「ケアに活かす」「看護介入」「実践」等のキーワードが何度も出てきます。看護診断とは、看護思考過程の中の私達看護師が臨床で治療できる問題として立案し援助に繋げていけるものです。これらのキーワードは、特別な言葉ではなく、看護診断にとってはなくてはならないキーワードです。そのため理想ではなく、適切な「アセスメント能力」「看護介入技術」を持ち、患者の反応を適切に捉え・判断して、実践に繋げていくことが「患者に必要な看護」に繋がるのだと考えています。看護の役割とは何だろうとあらためて看護のこれから(未来)を思う時、大事にそして早急に育てていくべき能力ではないでしょうか。
 第30回学術大会では、このような看護の状況を踏まえ、教育講演では、南 裕子先生をお招きし「看護の未来」について広い視点からご講演いただきます。医療現場で日々叫ばれているタスクシフトの観点からも、看護が果たさなければならない責任や期待されている役割について、ご講演頂けるものと思います。他の教育講演では、小児看護学会、看護科学学会より、それぞれ用語検討に携わってこられた先生方にご登壇いただき、看護が力を発揮すべき「看護現象」と「看護用語」についてご講演いただきます。ご登壇の先生方とフロアの皆様方と、広く意見交換したいと考えています。今までは別々に活動を展開してきた看護の各学会ですが、相互に意見交換し、それぞれが蓄積してきた「看護の知」を集約してさらに前進させていくべき時期がきているのではないでしょうか。さらに本学会では、看護診断に対する「看護介入技術」にも焦点を当て、看護技術学会で今まさに研究を進められている先生方にご登壇いただき、研究によりエビデンスが明確になった「看護介入技術」を紹介していただくことも企画しました。
 このように、本大会にご参加いただければ、日々目にする看護現象が少し違って見えてきて、明日からのあなたの看護が一歩進んだものになる・・・そんな学術大会にしたいと、思っております。皆様のご発表・ご参加を心よりお待ちしています。

 


第30回日本看護診断学会学術大会
大会長 笠岡和子 
(関西看護医療大学 看護学部看護学科)