日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター てんかん

[P14-3] 難治部分てんかん患者における皮質間ネットワークの特徴と臨床所見との関連:皮質皮質間誘発電位を用いた検討

十河正弥1, 松本理器1, 武山博文2, 小林勝哉3, 宇佐美清英4, 下竹昭寛4, 松橋眞生5, 菊池隆幸6, 吉田和道6, 國枝武治7, 宮本享6, 高橋良輔4, 池田昭夫5 (1.神戸大学大学院医学研究科 脳神経内科学, 2.京都大学大学院医学研究科 呼吸管理睡眠制御学, 3.Cleveland Clinic, Department of Neurology, 4.京都大学大学院医学研究科 臨床神経学, 5.京都大学大学院医学研究科 てんかん・運動異常生理学講座, 6.京都大学大学院医学研究科 脳神経外科学, 7.愛媛大学大学院医学研究科 脳神経外科学)

目的:難治部分てんかん患者の脳内ネットワークの構造の特徴やその変容については不明な点が多い。本研究は皮質皮質間誘発電位(CCEP)を用いて電気生理的ネットワーク構造と臨床所見との関連について検討した。方法:難治てんかんの術前評価目的で硬膜下電極を留置した15例の全電極(1556電極)で1Hzの電気刺激によりCCEPを測定、50ms以内の誘発電位振幅がbaselineの6SD以上の電極を有意結合とし(隣接電極は除く)、皮質間ネットワークを作成した。ネットワーク密度(結合/理論的にあり得る全結合)と罹病期間、内服薬剤数、留置電極数、焦点切除術後の発作再発との関連を検討した。結果:罹病期間、内服薬剤数、留置電極数はネットワーク密度との相関を認めず。振幅30SD以上の強結合の密度は、術後の発作再発群で非再発群より低下を認めた。結語:検討した臨床所見では、術後の発作再発が脳内ネットワーク密度の低下と関連を認めた。