日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター てんかん

[P14-9] パーキンソン病の治療経過中に複雑幻視を呈した側頭葉てんかんの1例

此松和俊1, 加藤量広1, 三浦祐太郎3, 藤田光3, 大嶋龍司1, 大友智2, 黒田宙1 (1.みやぎ県南中核病院 脳神経内科, 2.みやぎ県南中核病院 脳神経外科, 3.みやぎ県南中核病院 検査部)

【症例】86歳女性, 左優位の安静時振戦, 歯車様筋固縮を認め, パーキンソン病としてL-ドパで加療されていた. 1か月前, 右上肢の動かしにくさと傾眠が出現したためアマンタジンを開始したところ, いないはずの人が見える等の幻視が出現, 薬剤中止後も幻視は残存した. 頭部MRIで左中側頭回から下側頭回に陳旧性脳梗塞を認め, 脳波検査では初回, 2度目は異常を検出できなかったがペントバルビタール内服下で行った3度目の脳波検査で睡眠時に左前側頭部に棘波を認めた. 脳卒中後てんかんとして抗てんかん薬を開始したところ, 幻視及び右上肢の脱力が改善した.【考察】複雑幻視はパーキンソン病やレビー小体型認知症, 側頭葉てんかんで呈するため鑑別が重要である. 発作間欠期てんかん性放電は睡眠時に検出しやすいため, 鎮静剤で傾眠状態にした上での長時間脳波や複数回の脳波検査が有用であると考えられた.