日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター 運動調節・眼球運動

[P17-2] 運動実行プロセスに関与する皮質領野

國村洋志1, 小田仁志1, 澤口靖1, 川嵜拓1, 平岡浩一2 (1.大阪府立大学 総合リハビリテーション学研究科, 2.大阪府立大学 地域保健学域)

反応時間と運動時間が相関しないことから、これらは異なる皮質領野の制御下にある可能性がある。運動速度は振幅に依存するが、関与する皮質領野は特定されていない。研究では、反応時間・運動時間・速度・振幅に寄与する皮質局在を特定した。対象者に開始音に反応して左示指を外転させた。反応時間と運動時間に有意な相関はなかったが、速度と振幅間で有意な正の相関があった。開始音と同時の運動前野・背外側前頭前野あるいは後頭頂領野への運動閾値下の経頭蓋磁気刺激(TMS)により、反応時間はsham TMSと比較して有意に短縮した。運動時間・振幅・運動速度および運動速度と振幅の相関にはTMSによる有意な変化が生じなかった。運動開始とピーク間の時間は後頭頂領野へのTMSで減少した。これらより、運動前野・背外側前頭前野は反応時間に寄与し、後頭頂領野は反応時間と随意運動加速期の双方に寄与することが示唆された。