日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 運動ニューロン疾患

[P19-1] 早期筋萎縮性側索硬化症に対する閾値追跡法2連発経頭蓋刺激検査の有用性

鈴木陽一, 澁谷和幹, 三澤園子, 水地智基, 常山篤子, 中村圭吾, 小島雄太, 狩野裕樹, 青墳佑弥, 諸岡茉里恵, 大谷亮, MARIO PRADO, 桑原聡 (千葉大学 医学部 脳神経内科)

【目的】近年、閾値追跡法2連発経頭蓋刺激検査(TT-TMS)で測定される皮質内抑制(SICI)が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と類似疾患を高い感度・特異度で鑑別すると報告されている。我々は発症1年以内の早期ALSにおけるTT-TMSの有用性を検討した。【方法】ALSと診断された45名(男性23名、平均年齢67.6歳)と健常者28名(男性15名、平均年齢31.8歳)に対してTT-TMSを実施した。【結果】患者背景は罹病期間:15.8カ月、平均SICI(1-7ms):0.44%、Cortical silent period(CSP):140.3ms、ALSFRS-Rスコア:40.0だった。健常群と比べて有意に平均SICI(1-7ms)(12.2%)は低く(p<0.01)、CSP(187.8ms)は短縮していた(p<0.01)。早期ALS(24名)でも平均SICI(1-7ms)は健常群と比べて有意に低値であったが(0.77%、p<0.01)、CSPは有意な差を認めなかった(p=0.08)。【結論】TT-TMSで測定されるSICIは、発症早期から異常を示しており、ALS早期診断にも有用である可能性がある。