[P19-4] ALSにおけるsplit-finger syndrome
【目的】筋萎縮性側索硬化症(ALS)における選択的筋障害としてsplit-hand syndromeやsplit-hand plus syndromeが知られている。本研究では示指の深指屈筋(FDP1)が小指の深指屈筋(FDP4)より強く障害される新しい選択的筋障害 “split-finger syndrome”を証明する。【方法】フォロー情報で診断が確定されたALS 88例を抽出、徒手筋力テスト(MMT)の記載を後方視的に検討した。対照群として封入体筋炎14例を調べた。【結果】MMTはFDP1 > FDP4 5例、FDP1 = FDP4 40例、FDP1 < FDP4 43例で、符号検定でFDP4の方が有意に強かった。IBMでは有意ではないものの逆にFDP1の方が強い傾向が見られた。split-hand syndromeやsplit-hand plus syndromeも認められたが、差はsplit-finger syndromeの方が明確であった。固有手筋および手指末節屈筋力が、示指<母指<小指と共通することも注目される。【結論】split-finger syndromeはALS診断に役立つ新しい徴候となる。