日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 神経筋接合部・筋疾患

[P22-7] 末梢神経障害類似の筋力低下を来した低カリウム性ミオパチーの一例

田中理1, 工藤洋祐2, 奈良典子3, 甘利和光4, 高橋幸治1, 内田愛子1, 友野彩加1, 城倉健2 (1.横浜市立脳卒中神経脊椎センター 検査部, 2.横浜市立脳卒中神経脊椎センター 脳神経内科, 3.横浜市立脳卒中神経脊椎センター 総合内科, 4.横浜市立脳卒中神経脊椎センター 血管内治療科)

【背景】通常低カリウム性ミオパチーでは下肢優位の近位筋に脱力が生じる.【症例】患者は自宅で全く動かず,ほとんど食事もとらずに飲酒を継続した50歳男性.某日右第1指の脱力が出現し,翌日には両手の第1,2指に広がった.受診時には両側上肢の第1,2指遠位屈筋筋力低下が目立ったが,他部位の筋力は正常で感覚障害もなかった.神経伝導検査では正中神経に限局して複合筋活動電位振幅の著しい低下を認めたが,伝導速度や遠位潜時は保たれていた.【診断と考察】初発症状は前骨間神経麻痺に類似したが,筋力低下がその後下肢にまで及び,血清カリウム値が2.2 mEq/Lだったことから低カリウム性ミオパチーと診断した.カリウムの補充により筋力低下は比較的速やかに改善した.自験例の末梢神経障害類似の筋力低下の分布には,下肢筋を使用しない生活様式と飲酒によるビタミンB群不足が関与している可能性がある.