[P01-02] 舌扁平上皮癌における舌リンパ節転移の臨床病理学的検討
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【目的】舌リンパ節は、舌や口底から頸部へと向かうリンパ流の途中に不定に存在する介在リンパ節であり、舌癌や口底癌において転移をきたすことがある。本研究は、舌扁平上皮癌において舌リンパ節転移に関連する臨床病理学的因子ならびに舌リンパ節転移による生存への影響を明らかにすることを目的とした。【対象】2001年から2016年の間に根治的手術を行なった舌扁平上皮癌608例のうち、頸部リンパ節転移または舌リンパ節転移を認めた129例を解析の対象とした。【結果】舌リンパ節転移は21例に認められ、すべての症例で頸部リンパ節転移を伴っていた。単変量解析では、患側頸部リンパ節転移4個以上、患側頸部レベルIV・Vへの転移、患側頸部リンパ節転移の被膜外浸潤、対側頸部リンパ節転移が、舌リンパ節転移に関連する因子であることが示された(p < .05)。5年疾患特異的生存率は舌リンパ節転移群で有意に低かった(49.0% vs. 88.3%, Log rank test, p < .001)。cox比例ハザードモデル回帰分析では、舌リンパ節転移(HR: 5.87, p < .01)と患側頸部レベルIV・Vへの転移(HR: 12.46, p < .01)が予後不良に関連する独立した因子として抽出された。【結論】舌リンパ節転移は明らかに予後を不良にする因子であり、舌扁平上皮癌の治療においては常に念頭に置く必要がある。