第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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1.悪性腫瘍・臨床統計

[P01-04] 当科で外科療法をおこなった舌扁平上皮癌の治療成績

〇船山 昭典1、三上 俊彦1、新美 奏恵1、芳澤 享子2、小林 正治1 (1.新潟大学大学院 医歯学総合研究科 組織再建口腔外科学分野、2.松本歯科大学 口腔顎顔面外科学講座)


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【緒言】舌扁平上皮癌は口腔癌の中で最も頻度が高く、その治療成績は比較的良好といわれている。そこで、今回、当科で外科療法を施行した治療成績について検討したので報告する。なお、当科では遊離組織移植を行うとき以外に予防郭清は基本的に行なっていない。【方法】対象は2008年から2018年までの11年間に当科を初診した舌扁平上皮癌症例。【結果】調査期間の口腔癌は253例で、103例(約40%)が舌癌であった。そのうち、当科で根治治療を施行したのが95例で、2例が進展範囲から耳鼻科への紹介、6例でBSCとなった。男性57名、女性38名で平均年齢は66歳(29-92歳)であった。全例で手術を施行していたが、手術までの待機時間を考慮し15例に術前導入化学療法(TPF療法)を施行していた。全体の疾患特異的5年生存率は93.4%で原病死は6例であった。UICC第8版によるpT分類では、CISが14例、pT1が32例、pT2が26例、pT3が15例、pT4が8例と、早期癌が多数を占め、pT別での生存率に差はなかった。原発切除同時頸部郭清は21例に施行し、そのうち13例がpN+であった。後発転移は15例で全例に頸部郭清を施行していた。pN0と後発転移症例を含むpN+(28例)の5年生存率はそれぞれ100%、75.8%と有意差を認めたが、原発切除同時pN+と後発pN+との間に有意差は認めなかった。再建は有茎皮弁が5例、遊離皮弁が13例であった。【結論】当科の治療成績は良好であったが、リンパ節転移症例に対する後治療が重要と考えられた。