第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

講演情報

一般演題(eポスター)

PDFポスター » 1.悪性腫瘍・臨床統計

1.悪性腫瘍・臨床統計

[P01-08] 口腔扁平上皮癌患者における重複癌の検討

〇松添 雄大1、筧 康正1、崎野 美和子1、薄田 友理子1、瓜生 開人1,2、佐藤 匠1、船原 隆一郎1,3、榊原 晶子1、長谷川 巧実1、南川 勉1,2、明石 昌也1 (1.神戸大学大学院医学研究科 外科系講座口腔外科学分野、2.北播磨総合医療センター 歯科口腔外科、3.加古川中央市民病院 歯科口腔外科)


ポスターを表示

【緒言】口腔扁平上皮癌の重複癌の発生頻度は他部位の悪性腫瘍に対する重複癌の発生頻度に比べて比較的高くfield cancerizationの概念から上部消化管や呼吸器に多いとされている.口腔癌の治療にあたり他部位の全身検索をすることは必須であり早期発見することが極めて重要である.【対象】当科で2010年1月から2020年2月にかけて当科を受診して手術加療を行った口腔扁平上皮癌1次症例446例に対し後方視的に検討を行った.【結果】重複癌が認められた30例(男性22例,女性8例,平均67.4歳)について,その特徴ならびに発生因子を含めて臨床的検討を行った.原発部位別発生頻度では舌が12例,歯肉が7例,頬粘膜が6例,口底が5例であった.30例中24例に飲酒または喫煙歴を認めた.重複癌の箇所は食道12例,大腸7例,咽頭4例,胃4例,肺3例,乳房1例であった.3重癌は1例であった.重複癌の病理組織型は扁平上皮癌,腺癌が多い結果となった.発見契機はPET単独で指摘されたのが11例,上部内視鏡単独で12例,PETと上部内視鏡両方で指摘されたのが4例,喉頭ファイバー単独で3例であった.PETでは表在性の食道癌や咽頭癌は検知できない一方で,PETによって大腸癌や肺癌などが指摘された.【結論】口腔癌の重複癌の発生頻度は高く,術前に十分な検査を行い,早期発見・早期治療を行うことが重要であると考えられた.