第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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1.悪性腫瘍・臨床統計

[P01-19] 当科における顎口腔領域の転移性癌の臨床的検討

〇梶田 倫功1、北村 淳1、宮下 仁1、野上 晋之介1、山内 健介1、永井 宏和1、高橋 哲1 (1.東北大学大学院 歯学研究科病態マネジメント 歯学講座顎顔面・口腔外科学分野)


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【緒言】顎口腔領域における転移性癌は口腔悪性腫瘍全体の約1〜2%程度と言われ,稀とされている.疾患の認知度が低いため発見が遅れることが多く, 口腔転移巣を認めてからの予後は大部分が1年以内とされている.【対象と方法】2014年4月から2019年12月までに東北大学病院歯科顎口腔外科を受診し,口腔悪性腫瘍と診断された398例のうち,他臓器から顎口腔領域への転移性悪性腫瘍と診断された5例(1.26%)とした.評価項目は年齢,性別,原発腫瘍の部位,組織型,治療や転移までの期間, 転移巣の部位,治療法,予後とした.【結果】内訳は男性が4例, 女性が1例で, 初診時の年齢は44から78歳(中央値が50.4)であった. 原発巣は肺が2名, 腎臓が2名, 乳房が1名であった. 口腔内の転移部位は上顎骨が1名, 下顎骨が3名, 上下顎骨が1名で口腔転移巣が発見されてからの生存期間は1か月から22か月であった. 原発巣の治療は手術療法が1例, 手術・化学療法が2例, 治療なしが2例で口腔転移巣の治療は, 手術療法が1例, 化学療法が1例, 治療なしが3例であった.【結語】がん治療の成績向上と担癌状態での生存期間の延長により,今後は口腔転移性腫瘍と遭遇する機会が増える可能性がある.迅速で的確な診断と予後,QOL向上のための適切な治療法選択のため, 長期の経過観察と症例数を重ねることが必要と考える.