第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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2.悪性腫瘍・手術

[P02-04] 口内法による下顎辺縁切除術を施行した13例の臨床的検討

〇福島 麻子1、堀部 桃子1、中根 昇吾1、中村 知寿1、高島 裕之1、森田 麻希1、菱田 純代1、宮本 大模1、青木 尚史1、加藤 伸一郎1、渋谷 恭之1 (1.名古屋市立大学大学院医学研究科 感覚器・形成医学講座 口腔外科分野)


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【緒言】口内法による下顎辺縁切除術では臼歯部後方や下顎下縁付近の切除が困難となるが、術前の十分な画像精査と、コントラハンドピースやピエゾサージャリー等により対応可能となる症例がある。今回われわれは、当科で口内法より下顎辺縁切除術を行なった症例について後ろ向きに調査したので報告する。

【対象・方法】2015年から2020年の6年間に当科で口腔内のみからアプローチして下顎辺縁切除術を施行した13例(男性6例、女性7例、初診時年齢36~86歳/ 平均62.8歳)を対象とした。

【結果】対象疾患の内訳は扁平上皮癌9例、上皮内癌1例、エナメル上皮腫3例で、扁平上皮癌とエナメル上皮腫では再発によるものが1例ずつ含まれていた。腫瘍の占拠部位は前歯部1例、臼歯部8例、前歯・臼歯部が4例、扁平上皮癌ではcT1が5例、cT2が4例、エナメル上皮腫では術後の病理診断が濾胞型2例、混合型(叢状型優位)1例であった。術後合併症としてエナメル上皮腫の1例で術後2か月経過時に病的骨折を認めた。また上皮内癌の1例で術11か月後に隣接する周囲粘膜に再発を認めた。

【考察】口内法による下顎辺縁切除術には審美性や機能性に優れるという利点があり、術前の画像診査と術中の慎重な操作を必要とするものの、手術器具を工夫すればその適応を拡大できる可能性が示唆された。