第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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7.周術期管理・検診

[P07-04] 臨床医の視線dataを用いた口腔検診の最適化に向けた研究

〇内田 修爾1、平岡 慎一郎1、川村 晃平1、阪本 勝也1、古郷 幹彦1 (1.大阪大学大学院歯学研究科 口腔外科学第一教室)


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【緒言】口腔粘膜疾患の早期発見、診断には、的確な診断が行える臨床能力とともに、見落とさない検診技術が必須である。本邦においてはオンライン診療導入の機運が高まっており、今後モニタ上での診療スキルが必須となることが推察されるが、現在までにそれに関連する報告は皆無である。我々は、モニタ上での最適な検診方法確立を目的とし、視線dataの解析を実施した為、その概要を報告する。【対象】大阪大学歯学部附属病院の勤務医(口腔外科、保存科)および開業歯科医、計41名。【方法】Tobii pro nano®(Tobii technology)を使用し、口腔内写真に対する検診時の視線(眼球運動:Fixation, saccade)dataと所見を記録した。専用解析softwareにて、data解析を行い、視線経路や注視点をHeatmapによる可視化を行い、さらに臨床経験年数、専門領域毎に分類し比較検討を行った。【結果】臨床経験5年を境に注視領域、注視点の数に差を認めたが、病的意義の乏しい口腔内写真に対しては大きな差を認めなかった。白色病変に関しては注目領域には差はないが、臨床経験が長い群の方が、多くの鑑別診断が挙がり診断に苦慮する傾向にあった。【結語】検診時の視線data解析は、モニタ上の診断スキルの評価に使用可能であることが示唆された。今後、視線座標の時系列データ(Bigdata)をmachine learningにより分類し、口腔粘膜疾患の見落としを減少させるシステムの構築をすすめる予定である。