第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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9.悪性腫瘍・ゲノム

[P09-01] 口腔扁平上皮癌の唾液検体と組織検体間における口腔細菌叢の相違

〇橋本 健吾1、上田 整2、木村 将士1、石橋 謙一郎1、梅村 昌宏1、大岩 伊知郎3、長尾 徹2 (1.大垣市民病院 歯科口腔外科、2.愛知学院大学 歯学部 顎顔面外科学講座、3.名古屋第一赤十字病院 歯科口腔外科)


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[諸言]口腔細菌と口腔扁平上皮癌(OSCC)の発癌や進展との関連性が近年明らかとなりつつある。しかしながら、その関連性を裏付ける明確な根拠は未だ明らかとされていないのが現状である。我々は過去に唾液検体での口腔細菌の解析がOSCC診断において有用である可能性を示したが、これまでの報告においてOSCC患者の唾液検体と組織検体との比較検討は十分に行われていない。
[目的]今回、OSCC患者から採取した唾液検体と組織検体の細菌叢の相違を検討するため、次世代シークエンサーを用いて口腔細菌叢の網羅的な解析を行ったので報告する。
[方法]41例のOSCC患者の唾液検体と12例の舌SCC患者の組織検体の細菌叢解析を施行した。それぞれの群の細菌叢の多様性や相対的分布割合、LEfSe解析結果を比較することで検体種による細菌叢の相違について検証した。さらに、組織検体では腫瘍部と非腫瘍部、早期癌と進行癌での細菌叢の比較を行った。
[結果]唾液検体と組織検体間では細菌多様性が異なることが明らかとなった。OSCC唾液検体では、組織検体と比較してBacteroidetes門とPrevotella属の割合が有意に高く、Firmicutes門とStreptococcus属の割合が有意に低くなっていた。
[結論]本研究において、OSCC検体の種類や、OSCCの有無や病期などによって口腔細菌叢が異なることが示された。