第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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学術セミナー1(共催:小野薬品工業株式会社)

座長:桐田 忠昭(奈良県立医科大学歯科口腔外科)

[LIVE配信]2021年1月29日(金)12時00分~ 12時50分
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[SS1-01] 頭頸部がんに対するがん薬物療法の進歩と管理のポイント

〇清田 尚臣1 (1.神戸大学医学部附属病院腫瘍センター)

【学歴】
1993年4月1日神戸大学医学部医学科入学
1999年3月21日同卒業

学 位    
2014年7月9日神戸大学医学博士(博ろ第2127号)

免 許   
1999年5月10日医師免許(第403493号)

認定医等  
2005年9月26日日本内科学会認定内科医(第027629号)
2007年12月17日日本内科学会指導医
2008年1月1日日本消化器病学会消化器病専門医(第29999号)
2010年4月1日日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医(第0900047号)
2011年4月1日日本がん治療認定機構がん治療認定医(第10190087号)
2014年4月1日日本臨床腫瘍学会指導医(第1300086号)
2016年12月16日日本内科学会総合内科専門医(第027010号)

職 歴   
1999年5月10日   大阪府済生会中津病院内科系研修医
2001年6月1日大阪府済生会中津病院消化器内科専修医
2004年6月1日大阪府済生会中津病院消化器内科医員
2005年4月1日国立がん研究センター東病院消化器内科 がん専門修練医
2007年4月1日国立がん研究センター東病院消化器内科 非常勤医師
2008年4月1日神戸大学医学部附属病院腫瘍内科 特定助教
2010年1月1日神戸大学医学部附属病院腫瘍・血液内科 特定助教
2010年5月1日神戸大学医学部附属病院腫瘍・血液内科 助教
2017年4月1日神戸大学医学部附属病院腫瘍センター 特命准教授
2020年7月1日~現在同腫瘍センター/腫瘍・血液内科特命准教授・診療科長補佐

所属学会,研究会及びその他の活動      
1999年6月3日 日本内科学会
2002年4月26日 日本消化器病学会
2005年8月24日 日本臨床腫瘍学会
2006年4月1日 米国臨床腫瘍学会(ASCO)
2008年4月1日 欧州臨床腫瘍学会(ESMO)
2008年6月1日 日本頭頸部癌学会
2011年6月9日 日本頭頸部癌学会教育委員
2011年7月23日 日本臨床腫瘍学会評議員(-2013年8月30日)
日本臨床腫瘍学会教育セミナー運営部会委員(-2013年8月30日)
日本臨床腫瘍学会国際委員(-2013年8月30日)
2013年8月31日 日本臨床腫瘍学会協議員
日本臨床腫瘍学会Best of ASCO部会委員
2013年12月13日 独立行政法人医薬品医療機器総合機構専門委員
2014年4月1日 日本甲状腺外科学会
2014年4月1日日本臨床腫瘍学会頭頸部がん薬物療法ガイダンス作成委員
2014年6月12日 日本頭頸部癌学会頭頸部診療ガイドライン作成委員
2016年7月28日 第14回日本臨床腫瘍学会学術集会事務局長
2017年4月1日日本臨床腫瘍学会頭頸部がん診療連携プログラムWG長
2017年4月1日日本臨床腫瘍学会SNS WG長
2017年7月29日 日本臨床腫瘍学会Best of ASCO部会副部会長・専門医部会委員
2018年6月14日 日本頭頸部癌学会代議員
日本頭頸部癌学会学術委員会委員・ガイドライン委員会委員
2019年7月20日 日本臨床腫瘍学会Best of ASCO部会部会長

賞 罰
2010年4月1日日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医海外派遣選考採択
2014年12月19日 JCOGデータセンター Best Study Coordinator賞
再発・転移頭頸部がんに対するがん薬物療法は近年になって目覚しく進歩している。永らく殺細胞性抗がん薬を中心に開発が進められてきたが、抗EGFR抗体:セツキシマブの有効性が2008年に報告され、悪性黒色腫や非小細胞肺がんを始めとする様々な悪性腫瘍における免疫チェックポイント阻害薬の有効性が示されたことに引き続き、2016年にはプラチナ製剤抵抗性頭頸部がんに対する抗PD-1抗体:ニボルマブの有効性がCheckMate141試験において示された。さらには、2019年にペムブロリズマブ及びペムブロリズマブと化学療法の併用の有効性がKEYNOTE048試験で報告されるに至った。これにより、再発・転移頭頸部がんの薬物療法は初回から二次治療まで免疫チェックポイント阻害薬を使用する時代となり、初回治療からの生存期間中央値は12カ月を超えるに至った。

 このような、殺細胞性抗がん薬・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬を利用可能なエビデンスに基づき患者の個々の状態に合わせて選択し、その効果を最大限に引き出しつつ、各薬剤に特徴的な有害反応を適切に管理するには、臓器別診療体系の枠にとらわれない診療連携体制を構築する努力が各施設内及び施設間で行われている。更には、固形がん患者を対象とする包括的がんゲノムプロファイル検査が保険診療で実施可能となり、益々臓器横断的診療の重要性が増している。
 以上のような背景から開始した日本口腔外科学会と日本臨床腫瘍学会の学会間連携による頭頸部がん診療連携プログラム(http://www.jsmo.or.jp/headandneck-chemo/)も開始後3年を経過し、より良い診療連携体制構築のために本プログラムを更に推進する必要がある。