第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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学術セミナー3(共催:メルクバイオファーマ株式会社)

[LIVE配信]2021年2月15日(月)12時00分~ 12時50分
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[SS3-01] 再発・転移性口腔がんにおける薬物療法~最新のエビデンスに基づく治療戦略と今後の治療開発の展望~

〇本間 義崇1 (1.国立がん研究センター中央病院・頭頸部内科)

【略歴】
2004年3月 札幌医科大学・医学部 卒業
2004年4月 恵佑会(けいゆうかい)札幌病院にて初期研修(スーパーローテート)
2006年4月 恵佑会札幌病院 外科勤務(消化器外科専攻)
2007年4月 国立がんセンター中央病院(当時の名称)食道外科レジデント
2009年10月 腫瘍内科(消化管腫瘍専攻)に転身
2010年4月 国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科短期レジデント
2011年4月 国立がん研究センター中央病院 消化管内科・医員
2015年2月 国立がん研究センター中央病院 希少がん対策室員(消化管腫瘍担当)併任
2018年4月 国立がん研究センター中央病院 頭頚部内科・医長
       消化管内科・希少がん対策室員(消化管腫瘍担当)併任、現在に至る

<資格・外部委員>
・日本内科学会/内科認定医・日本臨床腫瘍学会/薬物療法専門医
・日本口腔腫瘍学会 口腔癌取扱い規約検討委員会 委員
・日本頭頸部癌学会診療ガイドライン委員会 委員
・GIST診療ガイドライン委員会 委員
・膵/消化管神経内分泌腫瘍(NET)診療ガイドライン委員会 委員
・十二指腸癌診療ガイドライン委員会 委員
再発・転移性口腔がんにおける薬物療法は、中咽頭/下咽頭/喉頭を原発とする頭頸部扁平上皮癌(RM-HNSCC)と共に開発が進められている。2012年に抗EGFR抗体であるセツキシマブの登場により、RM-HNSCCの標準治療はプラチナ製剤・セツキシマブ併用化学療法(P+Cmab)となり、本治療に不応となった『プラチナ抵抗性』の病態に対しては、抗PD-1抗体であるニボルマブ(Nivo)が2017年に臨床導入となり、「P+Cmab→Nivo」というRM-HNSCCの治療シークエンスが実地臨床に浸透した。

 更に、これまでP+Cmabが行われていた『プラチナ感受性』の対象において、2019年末よりペムブロリズマブ(Pembro)が新たな治療選択肢として実地臨床において使用可能となった。しかしながら、その基になる臨床試験の複雑な統計設定とPD-L1の発現レベル毎の治療成績に差が認められることから、RM-HNSCCの治療シークエンスが複雑となり、実地臨床が混沌としているように思われる。

 本発表では、上記のエビデンスを整理し、現在の治療の主軸となっている免疫チェックポイント阻害薬の特性に基づく「key drugsの使い切りの重要性」を踏まえた治療シークエンス、そして免疫チェックポイント阻害薬を主軸とする更なる再発・転移性口腔がん薬物療法治療開発の現状や展望、について概説する。