第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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[VS-02] 頸部郭清術、左手の使い方を中心に

〇太田 嘉英1、内堀 雅博1、佐々木 剛司1、伊澤 和三1、鈴木 崇嗣1、瀬田 祥平1、田村 優志1 (1.東海大学医学部専門診療学系口腔外科学領域)

※音声はございません

【略歴】
1985年 東京歯科大学卒業、
東海大学医学部付属病院臨床研修医:ローテーション研修
(口腔外科、麻酔科:全麻308例、形成外科、病理診断科:病理解剖45例)
1991年 東海大学医学部口腔外科学助手
1994年 国立がんセンター東病院頭頸科国内留学
1996年 博士(歯学)学位取得
1999年 同 講師
2003年 同 助(准)教授
2009年 同 教授
郭清、「郭」と「清」のそれぞれの言葉の意味をご存知でしょうか?それではdissectionは?これらの言葉に頸部郭清術の本当の意味合いが隠されています。郭清術とはリンパ節を摘出する手術とは根本的に異なり、リンパ流の存在する区域としない区域を分離する手術です。そのため頸部郭清術の際のマージン設定においては術者による差は生じないはずです。頸部郭清術はリンパの存在するスペースを分けていく手術です。
そのための組織の扱い方に関して、組織の切断は鋭利に行う必要がありますが、頸部郭清術で切らなければならない場所はほんの少しで、ほとんどは分けていくだけです。生体は発生学的に異なるところには膜ができます。頸部には7枚の膜があります。口腔癌からのリンパ流が流れているのはこれらの膜の間です。そのため膜をはずしていけばおのずときれいな郭清になります。この膜を切断してしまうと郭清ではなく切除手術になってしまいます。それでは上手に郭清を進めるためのポイントは?私は自分の意思で切り進めようとしないことだと思っています。そこで生きてくるのが左手!刃物を持たない左手の活躍こそが重要だと思っています。左手の使い方を中心にプレゼンテーションしたいと思います。