[I-P-146] 岐阜県西濃地区の学校心臓三次検診時の運動負荷試験導入後12年間の評価
Keywords:学校心臓検診, 運動負荷試験, 不整脈
【背景】岐阜県西濃地区の小学校1年生を対象とした心臓三次検診では、運動誘発性の危険な不整脈の早期検出や被験者の負担軽減等を目的として2003年より運動負荷試験を導入している。【目的】2003年から2014年の12年間での運動負荷試験導入後の検証と問題点について評価を行うこと。【方法】西濃保健所管内(大垣市、海津市、養老郡、不破郡、安八郡)の学校心電図検診事業資料を基に後方視的に検討した。【結果】三次検診で運動負荷試験が必要とされる者を、二次検診において一次検診での省略4誘導心電図の結果と問診票を基に抽出した。運動負荷試験方法は主に3分80回の二階段法(ダブル負荷)を心電図モニター下で行い、二階段は成人用のものの2/3の高さのものを使用した。2003年から2014年の12年間で、三次検診受検者中での運動負荷対象者の割合は3.1~12.2%であり、年によってばらつきがあった。診断名はSVPC21名、VPC16名、WPW症候群7名が多く、問診票(動悸や突然死の家族歴など)からも17名と多かった。検査所要時間は、準備から検査終了まで1件あたり約10分を要した。運動誘発性の不整脈はなかった。ほぼ全例検診会場で管理の要否や管理区分が決定でき、医療機関へ受診の負担が軽減できていた。【考察と結論】運動負荷試験件数増加に伴い検診時間の超過が懸念されたが、検査順序の段取り調整等で対応可能だった。また、ダブル負荷でも十分な心拍数上昇が得られていた。運動負荷試験導入によって三次検診の精度と効率が上昇した。今後も運動負荷試験対象の範囲を広げ、継続すべきと考えられた。