[II-P-019] 周生期に診断した大動脈弓縮窄を伴う複合心奇形の2例
キーワード:胎児心エコー, 矢状, 大動脈縮窄
【背景】
胎児心エコーでの正確な診断は、周産期管理に備えるとともに家族への説明や受け入れ準備の点でも重要である。一般的に複合心奇形の診断は水平断面のスキャンが必要十分であるとされる。今回、大動脈縮窄を合併する複合心奇形2例の経験から大血管同定について考察する。
【症例】
症例1は水腎症を認め妊娠33週に胎児心エコーを施行。大血管の同定に際して、水平断面のスキャンでは低形成弓は低くみえる可能性があること、大動脈も肺動脈も三分岐することから、第一分枝が肺に分布する方を肺動脈と診断した。最終診断は、両大血管右室起始、低形成左室、大動脈縮窄、動脈管依存であった。予定帝王切開により在胎37週、体重2440g、Apgar 8/9点で出生した。lipo-PGE1でPDAを維持し、LVDdは出生時71%が生後8日には99%となった。生後11日に国立循環器病研究センターへ転院し、その後Bil-PABを施行された。
症例2は心構造異常を指摘され妊娠32週に胎児心エコーを施行。水平断面による大血管の同定を行ったが、やや説得力に欠けた。エコービームに弓が平行となる断面の描出が可能であったため90度回転させることにより矢状断面を捉えることで、三分枝が描出でき低形成大動脈であると確信した。最終診断は三尖弁閉鎖、心室中隔欠損、完全大血管転位、大動脈縮窄、肺動脈弁狭窄、動脈管依存、卵円孔依存であった。予定帝王切開により妊娠37週、体重2920g、Apgar 9/10点で出生した。PDA維持にはlipo-PGE1を8.4ng/kg/minまで必要とし、肺高血流に対しN2療法を開始した。このため手術可能な施設での術前管理が望ましいと判断し、生後1日に国立循環器病研究センターへ転院し、その後Bil-PABを施行された。
【考察】
大動脈縮窄を伴う複合心奇形の診断には矢状断面の描出が有効である。
胎児心エコーでの正確な診断は、周産期管理に備えるとともに家族への説明や受け入れ準備の点でも重要である。一般的に複合心奇形の診断は水平断面のスキャンが必要十分であるとされる。今回、大動脈縮窄を合併する複合心奇形2例の経験から大血管同定について考察する。
【症例】
症例1は水腎症を認め妊娠33週に胎児心エコーを施行。大血管の同定に際して、水平断面のスキャンでは低形成弓は低くみえる可能性があること、大動脈も肺動脈も三分岐することから、第一分枝が肺に分布する方を肺動脈と診断した。最終診断は、両大血管右室起始、低形成左室、大動脈縮窄、動脈管依存であった。予定帝王切開により在胎37週、体重2440g、Apgar 8/9点で出生した。lipo-PGE1でPDAを維持し、LVDdは出生時71%が生後8日には99%となった。生後11日に国立循環器病研究センターへ転院し、その後Bil-PABを施行された。
症例2は心構造異常を指摘され妊娠32週に胎児心エコーを施行。水平断面による大血管の同定を行ったが、やや説得力に欠けた。エコービームに弓が平行となる断面の描出が可能であったため90度回転させることにより矢状断面を捉えることで、三分枝が描出でき低形成大動脈であると確信した。最終診断は三尖弁閉鎖、心室中隔欠損、完全大血管転位、大動脈縮窄、肺動脈弁狭窄、動脈管依存、卵円孔依存であった。予定帝王切開により妊娠37週、体重2920g、Apgar 9/10点で出生した。PDA維持にはlipo-PGE1を8.4ng/kg/minまで必要とし、肺高血流に対しN2療法を開始した。このため手術可能な施設での術前管理が望ましいと判断し、生後1日に国立循環器病研究センターへ転院し、その後Bil-PABを施行された。
【考察】
大動脈縮窄を伴う複合心奇形の診断には矢状断面の描出が有効である。