[II-P-021] 胎児期にASおよびEFEをもつ左心低形成症候群の出生後の右室機能および長期予後
キーワード:HLHS(AS,MS), cardiac function, prognosis
【はじめに】大動脈弁狭窄症・僧房弁狭窄症(以下MS,AS)タイプの左室低形成症候群(以下HLHS)は左室心内膜の輝度が高く、胎児期に心内膜線維症(以下EFE)の状態になったと考えられる症例が多い。他のHLHSのsub-type(MA.AA;MS.AA)と比較すると左心室の容量は大きく、右室機能への影響が注目されている。【対象】1994年4月から2014年4月の期間、当院の胎児心エコー検査でHLHSと診断され、生後もHLHSと診断確定された82例中27(31.4%)例がMS,ASタイプだった。そのうち心内膜の輝度が高くcritical ASからHLHSになったと考えられ、生後少なくともGlenn手術を施行された7例を対象とした。【方法】7例について以下の項目について後方視的に調べた。1.心臓カテーテル検査での右室機能の変化(pre-Glenn, pre-Fontan, post-Fontan)、2.臨床経過、3.7例において妊娠後期におけるLVサイズ(4CVでのLV area)および心室壁厚と生後の心機能(カテでのRVEF)の関係。【結果】結果1.RV volume:pre-Glenn124.67±59.1,pre-TCPC 176.67±40.9,post-TCPC136.0±5.66,RVEF: pre-Glenn 64.33±4.51,pre-TCPC 49.5±14.85,post-TCPC 45.25±9.21RV(e ):pre-Glenn 5.33±2.06,pre-TCPC 6.75±2.87,post-TCPC3.66±2.08,2.Glenn手術後に死亡あるいはadverse event 3例(Vf→脳梗塞、Glenn後に肺高血圧症のため死亡、心不全およびPHのためTCPC未施行)、TCPC施行3例(一例はTCPC後plastic bronchitis )、BCPS後TCPC待機中1例3.R(LV areaとRVEF)=-0.59,R(LV壁厚とRVEF)=-0.48。【結語】1.胎児期EFEタイプはGlenn術後から心機能低下している症例が多い。2.左室サイズおよび左室壁厚は生後の右室機能と負の相関がみられた。3.比較的大きいLVは慢性期にventricular interactionなどの影響で右室機能を悪くしている可能性がある。