第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-18 川崎病・冠動脈・血管

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川崎病・冠動脈・血管⑤

2015年7月17日(金) 13:50 〜 14:26 ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:佐野 哲也 (さのこどもクリニック)

II-P-142~II-P-147

[II-P-143] 血小板凝集能測定による川崎病冠動脈後遺症例に対するdual antiplatelet therapy(DAPT)の有用性の検討

池田 和幸, 鈴木 千夏, 八幡 倫代, 朽津 有紀, 岡本 亜希子, 濱岡 建城 (京都府立医科大学大学院医学研究科 小児循環器・腎臓学)

キーワード:川崎病冠動脈後遺症, 血小板凝集能, dual antiplatelet therapy

【背景】川崎病冠動脈後遺症に対する抗血小板薬の薬効評価は、冠動脈イベントの発症予防において非常に重要な課題であり、特に近年、アスピリン不応も指摘される中でその重要性は高まっている。我々は冠動脈遠隔期症例に対する薬効評価の一つとして血小板凝集能を測定しており、アスピリンとチエノピリジン系薬剤の併用例では凝集惹起物質ADP刺激による最低凝集惹起濃度(凝集閾値濃度:PATI)が有意に高値を示すことを報告した。【目的】血小板凝集能測定により川崎病冠動脈後遺症例に対するDAPTの有用性を検討する。【方法】対象は2010年2月から2014年12月に採血した川崎病冠動脈後遺症例160例(採血回数 304)とし、ASA単独群 55例(A群, 同134)、ASA+チエノピリジン系併用群 6例(A+T群 , 同19)、ASA+その他抗血小板薬併用群 14例(A+O群, 同46)、無投薬群 85例(N群, 同105)の4群に分けて比較検討した。凝集能測定において、全血を用いた吸引圧力法および多血小板血漿凝集能測定法(PRP法)にはコラーゲン刺激を行い凝集を惹起した。吸引圧力法、PRP法はそれぞれ-2~+3、-2~+2のクラス判定で評価した。ずり応力惹起血小板凝集(SIPA)はPA-200(KOWA社)により解析した。【結果】吸引圧力法における凝集能クラス判定(中央値)は、A群 0、A+T群 -1、A+O群 0、N群 +2であり、A群に比較してA+T群において有意に低値を示した。A群とA+O群間で有意差はなかった。PRP法における凝集能クラス判定(中央値)は、A群 -2、A+T群 -2、A+O群 -2、N群 +1であり、A群とA+T群あるいはA+O群間で有意差はなかった。SIPA(×104/μl)は、中央値でA群2.15、A+T群 2.3、A+O群 2.1、N群 1.5であり、A群とA+T群あるいはA+O群間で有意差はなかった。【考察】全血凝集能測定によりアスピリン・チエノピリジン系併用の有用性が示された。多発巨大瘤急性期症例へのA+T併用療法も有効な値を示しており、今後症例数を増やして検討したい。