[II-S09-02] 小児重症心不全外科治療の現状と展望 心臓移植と機械的循環補助
キーワード:心臓移植, 小児重症心不全, 機械的補助循環
臓器移植法改正により、小児重症心不全患者に対する心臓移植が本邦において可能となった。しかしながら、小児における臓器提供は少なく、長期化する待機期間中に保存的治療の限界に至れば補助循環の適応となる。しかし、現在、本邦においては小児においては長期使用に耐えないECMOあるいは成人用の補助人工心臓(VAD)しか選択肢がなく、高率に血栓塞栓症など合併する。Berlin Heart社のEXCORは1990年よりEUにて2011年より米国にて使用される体外式拍動流VADであるが、ポンプサイズ最小10mlからあり新生児にも適応可能である。本邦においてもEXCORの医師主導治験が進められ、すでに7例の装着が行われた。当院では3例に対して装着が行わあれた。1例目症例はすでに米国にて渡航移植をすませ、2例目症例は治験開始前にECMOサポートとなりBridge to bridgeにてEXCORを装着した。経過良好で、入院移植待機中である。3例目は劇症型心筋炎後心筋症で他院にて一時的VADを装着された患者でEXCORへのコンバートを行い、翌日抜管、経過良好である。EXCORは2015年中に承認される見込みで、これに伴い小児の重症心不全治療に対する選択肢が大きく広がっていくと考えられる。小児に対する本邦における心臓移植および機械的補助循環の現状と展望について検討を行う。