[II-TRS2-01] 先天性心疾患児における在宅医療への取り組みと課題
【背景】医療技術の進歩により先天性心疾患児の救命は著しく改善しているが、同時に在宅医療を必要とする症例は増加傾向にある。【当院の現状】平成26年度在宅医療を要する患者は気管切開TPPV29人、NPPV16人、気管切開94人、在宅酸素285人であった。心疾患合併症例は気管切開TPPV3人、NPPV0人、気管切開4人、在宅酸素117人であった。【当院の取り組み】在宅医療には、母子保健局(地域保健推進部、患者家族支援部)、在宅審査会、診療材料検討会議、医療機器管理委員会など複数の部署が関与している。患者が発生した場合在宅審査会に登録の上1.主治医、担当看護師、在宅支援担当医、医療福祉相談担当員によるチームを結成する2.チェックシートを用い、進行状況を医療者側およびご家族で確認しつつ進める3.月1回開催される在宅支援会議の中で確認し、不足事項を補い外泊、退院時期を決定し、安全な導入を目指している。平成26年度は小児等在宅医療連携拠点事業に参加し1.地域拠点病院を中心とした在宅医療の強化2.医療事業者間の連携3.当院事業の強化を行った。新たな試みとして在宅医療支援者向けの支援として1.小児在宅医療支援者向け相談窓口2.退院後の初回訪問看護への看護師同行3.小児の在宅医療を支える訪問看護師交流会4.小児在宅医療に関わる在宅医連携カンファレンスを行い、家族支援として1.小児在宅療養ガイドブック「おひさま」2.小児在宅療養ナビ(http://ohisama.kcmc.jp/)3.在宅療養児の日常生活援助DVD&冊子を作成しきめ細かい在宅医療をめざしている。【課題】福祉制度の不備、在宅医の不足、施設、人材の不足に加え、循環異常は対応施設を限定する要因となる。また地域により支援の形は多様で、地域に即した在宅医療を患児ごとに構築していく必要がある。患児の状態や家族の声をいち早く察知し、意向に即した対応を迅速に行える体制づくりをこのシンポジウムを通して供に考えたい。