[III-O-23] 当院において術後早期にカテーテル治療を施行した症例について
キーワード:カテーテル治療, 先天性心疾患, 術後早期
【目的と方法】2000年3月から2014年12月の期間に術後20日以内にカテーテル治療を施行した症例を後方視的に診療録より検索し、原疾患、手術術式、治療内容、効果について検討した。【結果】期間内に9症例あり、年齢は27生日~6歳、多くが肺動脈閉鎖。カテーテル治療前の術式はBTS術3例、Glenn術2例、TCPC術3例、CoA術後が1例。術後約10日目までに治療を行ったのが5例(早期治療群)、術後10日目以降に治療を行ったのが4例(後期治療群)。早期治療群は、症例1:TCPC術後に人工血管吻合部のIVCの狭窄に対して、術後3日後にIVC stent留置術を行い、大量腹水は改善。症例2:Glenn術後のSVC症候群に対して、術後4日目にバルーン拡張術を行い狭窄解除。症例3:TCPC術後に導管吻合部がRPA狭窄をきたしていたため、術後4日目にRPA stent留置術で狭窄解除。症例4:BTS術後(3.5mm人工血管)にBTSの完全閉塞あり、術後8日目にバルーン拡張術を行い閉塞解除。症例5:BTS術+左右PA形成術後にシャント吻合部狭窄に対して術後8日目にバルーン拡張術で狭窄解除。後期治療群は、症例6:BTS術後7日目に突然の低酸素あり、BTS狭窄あり術後15日目にバルーン拡張術で狭窄解除し低酸素改善。症例7:Glenn術後の乳糜胸に対して、術後15日目にAPCのcoil塞栓術行い改善。症例8:TCPC術後の胸水貯留に対して、術後15日目に、APCのcoil塞栓術行い改善。症例9:CoA+PA banding術後のCoA再狭窄に対して術後20日目にバルーン拡張術施行して狭窄解除。合併症は認めなかった。【結語】術後早期にカテーテル治療を要するのは単心室型の術式が多い。術後1週間までは、血管狭窄や閉塞のため循環動態を維持できない状態に対して、バルーン拡大術やステント留置術が必要で、以降は胸水コントロールによる塞栓術などを行うことが多い。術後早期であっても、タイミングを見逃さず積極的にカテーテル治療を行うことで、良好な予後が期待できる。