[III-P-051] 小児重症心不全に対する左心補助治療の検討
Keywords:重症心不全, 左心補助治療, 左心補助装置
(背景、目的)本邦における小児重症心不全に対するVAD(ventricular assistant device)治療は成人と比較して一般的といい難い。当院にて施行した小児重症心不全に対するVAD治療の術前術後経過を検討した。(方法、症例)当院にて2004年4月から2014年12月までに心不全に対する左心補助を行った7例(男:女=5 :2,平均年齢11歳)を対象とし、疾患の内訳は拡張型心筋症6例、修正大血管転移症に対する修復術後の心機能障害1例であった。左心補助装置は、TOYOBO-NIPRO5例、Rotaflow1例、RotaflowからTOYOBO-NIPROへ変換した症例が1例であった。(結果)診断から左心補助までの平均期間は529日であり、平均補助期間は 100日であった。4例が海外にて心移植を受け、2例を頭蓋内出血で失い、1例は現在米国にて心臓移植待機中である。(結語)小児重症心不全治療の現状において、適切な左心補助のタイミングと補助装置移植後のマネージメントが必要不可欠であると考えられた。また、将来的な小児に対する適切なデバイスの開発が期待される。