第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-18 川崎病・冠動脈・血管

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川崎病・冠動脈・血管⑧

2015年7月18日(土) 11:20 〜 11:50 ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:須田 憲治 (久留米大学)

III-P-117~III-P-121

[III-P-120] Amplatzer Vascular Plugを使用し塞栓治療を行ったAnomalous systemic arterial supply to the basal lungの1歳女児症例

千阪 俊行, 宮田 豊寿, 森谷 友造, 山口 洋平, 太田 雅明, 高田 秀実, 檜垣 高史, 石井 榮一 (愛媛大学大学院医学系研究科 小児科学)

キーワード:Amplatzer Vascular Plug, Anomalous systemic arterial supply to the basal lung, 血管塞栓術

【背景】Anomalous systemic arterial supply to the basal lungは大動脈からの異常血管が肺底部に流入する先天血管異常を呈する稀な疾患である。流入肺底部は部分肺高血圧、喀血、動静脈瘻、感染の母地となるため治療することが推奨されている。一般的には肺葉、肺区域切除が行われていたが2000年代に入り、成人領域ではコイルによる異常血管の塞栓治療が散見されるようになった。今回、我々は出生後早期に指摘され1歳時に待機的にAmplatzer Vascular Plug(AVP)を使用し塞栓治療を行った症例を経験したので報告する。【症例】1歳女児【現病歴】1ヶ月健診で心雑音を聴取し、超音波検査にて大動脈から肺へ流入する異常血管が指摘され、造影CT検査で同疾患と診断された。左心負荷所見は認めたが無症状であったため待機的に1歳時にカテーテルによる治療を施行した。 【現症】身長; 68cm、体重; 8967g、BSA; 0.389m2、心音;純・整【経過】大動脈造影にて異常血管を同定し、同部位でバルーンによる一時的な異常血管の閉塞を行った上で肺動脈造影を行った。術前のCT同様S10は造影されず二重供給はされていなかったが、閉塞中のバイタルには変動なく、塞栓可能と考えられた。塞栓はAVP4(5mm1個、7mm2個)3個を使用し閉鎖した。術後の発熱、plagの脱落などの合併症を認めず、術後3日に退院した。今後、造影CT検査などによる閉塞確認を行っていく予定である。【考察、まとめ】AVPは現在日本においては市販後調査中の段階ではあるが、近年同疾患に対するAVPを用いた治療の報告が海外の成人領域では散見されるようになった。今回、我々は幼児に対しAVPを用いて安全にまた効果的に血管塞栓術を行えた。小児の同疾患に対してもAVPを用いた塞栓術は有効な治療となり得ると考えられた。