[III-P-126] 全小4、中1を対象とした高岡市および富山市小児生活習慣病健診における食後脂質値の検討
キーワード:食後脂質値, 小児成人病予防健診, non-HDLコレステロール
【背景】小児生活習慣病健診は学校保健への正式導入が期待されているが、多くの現場で空腹時実施が困難であり、エビデンスに基づいた食後基準値が必要である。【目的】全小4、中1を対象とした高岡市、富山市小児生活習慣病健診の結果から食後脂質基準値を考察した。【対象と方法】2010-2011年に高岡市(給食1-2時間後採血)と富山市(朝食2-4時間後採血)で健診を受けた小4、中1、20,380名(高岡市5,853名、富山市14,527名、受診率いずれも90%以上)の脂質値を比較検討した。【結果】体格は小4のみ富山市で健診時期がやや早く有意に小であったが、健診時期が同じ中1はほぼ同等であった。TG平均値は小4男女、中1男女とも高岡市が有意に高値であった。一方、TC、HDL-C、non-HDLC、およびTRL-C(non-HDL-C-LDL-C)平均値は、小4女のHDL-Cを除き富山市がすべて有意に高値となり、中学男女でより顕著ではあったが、その差は最大6%であった。異常値の基準となる健診全体での95(5)パーセンタイル値(mg/dl)は、高岡市、富山市各々TG 185/176、TC 211/219、HDL-C 46/47、non-HDL-C 145/148、LDL-C 126/126であり、これらより食後脂質異常基準値は、TG 180、TC 220、HDL-C 45、non-HDL-C 150程度が妥当と考えられた。【結論】両市における食後採血時間の違いはTG値に影響したが、各種コレステロール値への影響はほとんどないと考えられた。両市全体の脂質パーセンタイル値は食後基準値のエビデンスとして有用である。