[III-P-151] Glenn循環下VV ECMOの一考察
キーワード:Glenn, VV ECMO, 上大静脈肺動脈吻合温存
【背景】Extracorporeal Life Support Organization(以下、ELSO)によると、1999-2012年の間にGlenn術後のECMO症例は全102例で、そのうちVV ECMOは4例のみで、多くは周術期管理下での導入である【目的】当院PICUで経験したGlenn術後遠隔期における急性呼吸不全例に対しVV ECMOにおけるカニュレーション部位、肺保護換気等について検討する【症例】TS, hypoplastic RV, VSD, d-TGA, severe PS, PDA, bil.SVCsで3ヵ月時にRMBT、12ヶ月時にbil BDG施行(SpO2 82-85%)された男児が、その17ヶ月後にRSVに罹患、従圧式人工換気、一酸化窒素吸入療法でもSpO2 40%台、平均気道内圧(以下、MAP)17cm/H2O、inotrope score(以下、IS)13となり用手換気下で当院にヘリ搬送となった。酸素化指数49、Murray score 3にてVV ECMO(右大腿VVDL 12Fr、Rotaflow 2120 rpm、50-60 ml/kg/min(CI 1.0-1.2)、O2 sweep 0.3 l/min)を導入し、MAP 14cm/H2O、IS 6となった。第13病日には肺野改善、1回換気量11ml/kg、肺コンプライアンス3.8ml/cmH2Oにて離脱、第22病日抜管、神経学後遺症なく前医へ転院した【考察】ELSO報告の多くは、Glenn循環下ECMO導入はVAが主体とされるが、本例では肺高血圧の程度を評価した上で、上大静脈肺動脈吻合温存のため大腿静脈によるVVを導入した。これにより肺保護戦略を獲得しただけでなく、迅速な呼吸状態の改善によりGlenn循環へも好影響を及ぼしたことが示唆された【結語】本発表では、Glenn循環下のVV ECMO管理について文献的考察を加えて報告する予定である。