第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム16
小児循環器領域と女性医師

2015年7月18日(土) 10:05 〜 12:05 第1会場 (1F ペガサス A)

座長:
市田 蕗子 (富山大学)
角 秀秋 (福岡市立こども病院)

III-S16-01~III-S16-12

[III-S16-04] 静岡県立こども病院における女性医師の現況

満下 紀恵, 小野 安生 (静岡県立こども病院 循環器科)

コメンテーター:小野安生 (静岡県立こども病院 循環器科)

キーワード:女性医師, 男女共同参画, 現状

【背景】3人に1人は女性医師となる時代になり、医療系の学術集会でも男女共同参画、女性医師支援のシンポジウムなども見かけるようになった。心臓血管外科や小児循環器科を志望する女性医師も増加してきている。【現状】当院における女性医師の現況を2015年1月現在の当院勤務医師の年齢、配偶者の有無、子どもの有無を性別で比較してみた。医師合計は140名(女性(F)34名、男性(M)106名)。年齢層別女性医師の割合は20代20%、30代30.4%、40代23.5%、50代以上0%。性別による既婚率はF群27%M群79%、有子率はF群12%M群67%であった。循環器科内では、2000年代からは常に30%前後の女性医師割合を維持している。【考察とまとめ】当院の女性医師割合は高年齢になると顕著に減少し、また既婚率、有子率ともに男性医師に比べ有意に低かった。女性医師は結婚出産に対し防衛線を引いているのかのようであり、また年齢を重ねて働き続けていくことのハードルが高いことも示された。しかし、以前は使用できなかった院内保育園が女性医師も使用可能となったり、各科内での当直回数の調整など徐々に子育てをしながら働きつづけられる環境も整いはじめている。一方で、育児という大きな仕事をすべて社会福祉や外部に任せることは難しい点が残ることも否めない。子育て年代には男女問わずに社会は惜しみなく援助をしつつ、男女ともに働き方の多様化を許容する社会や意識改革も必要かとも思われる。