[III-TRO-25] 小児集中治療室へ配置転換された看護師が体験した気持ちの変化
キーワード:集中治療室, 配置転換者, 教育支援
【背景】A小児専門病院の集中治療室には、年間400例以上の先天性心疾患術後の患者が入室する。小児看護技術と共に、高度な周手術期看護が要求される為、小児看護経験者でも自信を無くすことがあり、そのような集中治療室に配置転換となったスタッフの困難感は大きい。【目的】配置転換者が、小児集中治療室での看護実践や教育支援を受けることで生じた気持ちの変化を明らかにし、配置転換者が求める教育支援について検討する。【方法】集中治療室に配置転換となった看護師7名に半構成的面接を行い、質的に分析した。【倫理的配慮】院内倫理委員会承認後,プライバシー保護などを説明し文書で同意を得た。【結果】面接内容を分析した結果、「配置転換直後の体験と思い」「重症患者に関わる不安や自信喪失」「経験者として感じる重圧」「周りのスタッフの支え」「前向きな気持ちの変化」「離職を思い留まる理由」「教育に対する思い」「家族ケアへの思い」の8のカテゴリーが抽出された。配置転換者は病棟で経験した事のない緊迫した状況や、患者の死に直面し気持ちの整理がつかない等の「配置転換直後の体験と思い」、急変時の対応ができない等「重症患者に関わる不安や自信喪失」、更に「経験者としての重圧」を感じていた。しかし、共感し合える仲間や先輩の指導、認められたと感じる等「周りのスタッフの支え」や自己の成長の実感、小児看護に携わる喜びが「前向きな気持ちの変化」に繋がっていた。【考察】配置転換者は、今までの経験を発揮できない事が自信喪失に繋がっていると考えられたため,自信回復の為に経験に応じたOJTや勉強会の充実により、小児集中ケアに必要な知識と確実な技術を習得することが必要である。加えて、認めてくれるスタッフや、共感し合える仲間の存在が、配置転換者の自己効力感を高める為に不可欠であると考えた。これらを踏まえた教育支援の必要性が示唆された。