[III-YB13-01] 修正大血管転位症における機能的右室流出路狭窄と心機能-手術介入の是非・適応に関する考察-
Keywords:修正大血管転位症, 右室流出路狭窄, 心機能
【背景】我々は,ファロー四徴症(TOF)の術後右室流出路狭窄(RVOTS)は,軽度であれば心室・動脈カップリングにより右室収縮はかえって増大し,右室左室連関により左室収縮も維持されることを報告した.一方,修正大血管転位症(C-TGA)では肺循環を支えるのは解剖学的左室(LV)であり,術後の機能的(f) RVOTSに対してTOFより高度であっても心機能を維持できる可能性がある.
【目的】C-TGA術後fRVOTSに対するfRVの収縮性について検討する.
【方法】当院でC-TGAに対して機能的根治術を行った後,心臓カテーテル検査で心機能を評価できた12例(conventional Rastelli 8例,VSD閉鎖+三尖弁形成術4例)を対象とした.TOF術後22例をコントロール群とし,比較検討した.心収縮力はdp/dt maxを指標とした.
【結果】C-TGA群ではfRVOTS圧較差(ΔP)およびfRV/fLV圧比は,いずれもfRV dp/dt maxと有意な正の相関を認めた(各々,r=0.83, r=0.92,P<0.001).fRV dp/dt maxはfLV dp/dt maxと有意な正の相関関係を認めた(r=0.59, P<0.05).TOFでも同様にΔP RVOTSおよびRV/LV圧比は,いずれもRV dp/dt maxと有意な正の相関関係を認めた(各々r=0.69, r=0.77, P<0. 001)が,相関式の傾きはいずれもC-TGAに比べ著しく低値であった(354 vs 557,919 vs 1717).
【考察】C-TGA術後のfRVは,TOFのRVに比べて,より強い狭窄に対しても収縮力増強で対応でき,さらに心室連関によりfLV機能の維持に貢献している.したがって,C-TGAにおけるfRVOTS に対する手術介入基準は,TOFとは異なる基準が必要であり,それにより手術介入を回避できる症例が存在する可能性があることが強く示唆された.
【目的】C-TGA術後fRVOTSに対するfRVの収縮性について検討する.
【方法】当院でC-TGAに対して機能的根治術を行った後,心臓カテーテル検査で心機能を評価できた12例(conventional Rastelli 8例,VSD閉鎖+三尖弁形成術4例)を対象とした.TOF術後22例をコントロール群とし,比較検討した.心収縮力はdp/dt maxを指標とした.
【結果】C-TGA群ではfRVOTS圧較差(ΔP)およびfRV/fLV圧比は,いずれもfRV dp/dt maxと有意な正の相関を認めた(各々,r=0.83, r=0.92,P<0.001).fRV dp/dt maxはfLV dp/dt maxと有意な正の相関関係を認めた(r=0.59, P<0.05).TOFでも同様にΔP RVOTSおよびRV/LV圧比は,いずれもRV dp/dt maxと有意な正の相関関係を認めた(各々r=0.69, r=0.77, P<0. 001)が,相関式の傾きはいずれもC-TGAに比べ著しく低値であった(354 vs 557,919 vs 1717).
【考察】C-TGA術後のfRVは,TOFのRVに比べて,より強い狭窄に対しても収縮力増強で対応でき,さらに心室連関によりfLV機能の維持に貢献している.したがって,C-TGAにおけるfRVOTS に対する手術介入基準は,TOFとは異なる基準が必要であり,それにより手術介入を回避できる症例が存在する可能性があることが強く示唆された.