15:00 〜 18:00
[13ES-03] ステップアップ:不整脈 学校心臓検診で診断される不整脈の管理と治療
学校心臓検診で診断される不整脈は多彩であるが,その中でも無症状で診断され診断後の管理が問題となることの多い心室性期外収縮,QT延長症候群,WPW症候群について概説する.
心室性期外収縮は,学校心臓検診で診断される代表的な疾患である.ほとんどの症例は無症状である.近年,頻度の多い心室性期外収縮の症例に左室心機能の低下を来す症例があることが成人の報告で散見されている.小児の心室性期外収縮は頻度が低下していく症例もあり,心機能低下を来す症例は稀であるが,頻度が30〜40%と多い症例では注意して経過観察する必要がある.また心室頻拍に移行する症例も極めて稀であるが存在する.頻度の多い症例や連発を認める症例はホルター検査やトレッドミル検査で頻度や連発の程度を確認しながら経過観察していくことが重要である.運動制限については,その必要があると判断される症例は本院ではアブレーション治療を行っている.
QT延長症候群は現在15種類の遺伝子異常により分類とされているが,type1からtype 3まで約9割を占めており,この3つのtypeの特徴を認識しておくことが重要である.
type 3の原因となるSCN5A遺伝子は,Brugada症候群,洞不全症候群など多彩な不整脈の原因となることが近年報告されている.
小児ではQT時間の補正として,Bazettの補正式が使用されてきたが,近年はFridelicaの補正式(QT/RR^(1/3)が使用されるようになっている.ガイドラインでもQT時間の補正についてはFridericiaの補正式を使用することを推奨している.
WPW症候群も学校心臓検診で診断される無症状の疾患の一つである.WPW症候群は,頻拍発作が問題となる疾患である.心房細動による突然死のリスクもあるがその頻度は低い(約0.1%).
自験例では,学校心臓検診でWPW症候群と診断される症例の中で,QRS幅が120ms以下の症例の約6割が早期興奮症候群の一つである束枝心室副伝導路(FVP)であった.FVPは頻拍発作や突然死のリスクのない疾患で,管理区分は「管理不要」となる.WPWとFVPの鑑別には,ATPテストが最も有用であるが,ホルター検査が鑑別に有用なこともある.
心室性期外収縮は,学校心臓検診で診断される代表的な疾患である.ほとんどの症例は無症状である.近年,頻度の多い心室性期外収縮の症例に左室心機能の低下を来す症例があることが成人の報告で散見されている.小児の心室性期外収縮は頻度が低下していく症例もあり,心機能低下を来す症例は稀であるが,頻度が30〜40%と多い症例では注意して経過観察する必要がある.また心室頻拍に移行する症例も極めて稀であるが存在する.頻度の多い症例や連発を認める症例はホルター検査やトレッドミル検査で頻度や連発の程度を確認しながら経過観察していくことが重要である.運動制限については,その必要があると判断される症例は本院ではアブレーション治療を行っている.
QT延長症候群は現在15種類の遺伝子異常により分類とされているが,type1からtype 3まで約9割を占めており,この3つのtypeの特徴を認識しておくことが重要である.
type 3の原因となるSCN5A遺伝子は,Brugada症候群,洞不全症候群など多彩な不整脈の原因となることが近年報告されている.
小児ではQT時間の補正として,Bazettの補正式が使用されてきたが,近年はFridelicaの補正式(QT/RR^(1/3)が使用されるようになっている.ガイドラインでもQT時間の補正についてはFridericiaの補正式を使用することを推奨している.
WPW症候群も学校心臓検診で診断される無症状の疾患の一つである.WPW症候群は,頻拍発作が問題となる疾患である.心房細動による突然死のリスクもあるがその頻度は低い(約0.1%).
自験例では,学校心臓検診でWPW症候群と診断される症例の中で,QRS幅が120ms以下の症例の約6割が早期興奮症候群の一つである束枝心室副伝導路(FVP)であった.FVPは頻拍発作や突然死のリスクのない疾患で,管理区分は「管理不要」となる.WPWとFVPの鑑別には,ATPテストが最も有用であるが,ホルター検査が鑑別に有用なこともある.