第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

電気生理学・不整脈1

一般口演1-13(I-OR113)
電気生理学・不整脈1

2016年7月6日(水) 10:15 〜 11:05 第B会場 (天空 センター)

座長:
豊原 啓子(東京女子医科大学心臓病センター 循環器小児科)

I-OR113-01~I-OR113-04

10:15 〜 11:05

[I-OR113-02] TCPC手術前に不整脈基質をablationしたIsomeris症例の予後

豊原 啓子, 西村 智美, 工藤 恵道, 竹内 大二, 朴 仁三 (東京女子医科大学 循環器小児科)

キーワード:Isomerism、ablation、TCPC

背景:Isomerism heart(右側相同:RAI, 左側相同:LAI)は先天性不整脈基質を有する頻度が高く、Fontan(TCPC)手術が必要な場合が多い。TCPC術後は心房、房室弁輪へのカテーテルのアクセスが制限される。目的:TCPC術前にカテーテルアブレーション(CA)を施行した症例の予後について検討した。対象:Isomerism heart 20例(RAI 15、LAI 5)、平均年齢は3歳、平均体重は13kgであった。全例共通房室弁を有し、術前に頻拍を認め治療を必要とした。結果:全例でHis電位を記録した(2つの房室結節: 17(85%), 前方房室結節: 1, 後方房室結節:2)。12例で2つの房室結節間の回帰頻拍を認め、不応期の長い一方の房室結節にCAを施行した。後方房室結節の房室結節回帰頻拍の1例では房室結節のmodificationを行った。7例は心房粗動または心房切開線関連の頻拍を認めた。CA成功率は19/20(95%)で、共通房室弁の人工弁置換後の峡部ablationの1例のみ不成功であった。合併症は1例でCA成功後、共通房室弁の人工弁の片方にstuckを認めた。CA後follow-up期間は平均3年で、19例にTCPC手術を施行した。全例術後頻拍を認めなかった。2つの房室結節の一方をCAした12例はすべて房室ブロックやdyssynchronyを認めていない。結論:TCPC前に頻拍を認めるIsomerism heartに対するCA成功率も高く有用であった。