第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

電気生理学・不整脈1

一般口演1-13(I-OR113)
電気生理学・不整脈1

2016年7月6日(水) 10:15 〜 11:05 第B会場 (天空 センター)

座長:
豊原 啓子(東京女子医科大学心臓病センター 循環器小児科)

I-OR113-01~I-OR113-04

10:15 〜 11:05

[I-OR113-03] 小児不整脈アブレーション治療におけるFluoroscopy image integrated 3D mapping systemを用いた医療被ばくの低減

吉田 葉子1, 渡辺 重朗1, 鈴木 嗣敏1, 數田 高生2, 押谷 知明2, 中村 香絵2, 佐々木 赳2, 川崎 有希2, 江原 英治2, 村上 洋介2, 中村 好秀1,3 (1.大阪市立総合医療センター小児医療センター小児不整脈科, 2.大阪市立総合医療センター小児医療センター小児循環器科, 3.近畿大学小児科)

キーワード:CARTO UNIVU、Fluoroscopy image integrated 3D mapping、医療被ばく

【目的】心臓カテーテル治療では患者とスタッフの医療被ばくが問題となる。従来の不整脈アブレーション3Dマッピングシステムに、透視画像を統合することが可能となった新しいソフト(CARTO3 with UNIVU module)を導入し、被ばく低減効果を検討した。
【方法】対象は当院で3DマッピングシステムにCARTO3を用いて不整脈アブレーション治療を行った20歳未満の患者のうち、2015年10月のUNIVU導入前4か月と導入後4か月で対照群とUNIVU群に分け、患者特性・透視時間・透視線量・手技時間・治療成績・合併症率などについて後方視的に分析した。
【結果】UNIVU群(n=18)・対照群(n=28)で、(以下中央値)年齢10.1 vs. 11.1y (p=0.761)、体重31.3 vs. 35.6kg (p=0.919)、複雑先天性心疾患合併率12.5 vs. 7.1% (p=0.639)。不整脈診断はUNIVU群:WPW症候群11・流出路起源心室性不整脈(OTVA)2・二重房室結節関連頻拍(TwinAVN)2・異所性心房頻拍1・房室結節回帰性頻拍(AVNRT)1・ベラパミル感受性心室頻拍(ILVT)1。対照群:WPW17・OTVA6・ILVT2・AVNRT1・TwinAVN1・乳頭筋起源心室頻拍1。治療結果はUNIVU群と対照群で、通電回数3.5 vs.3.0(p=0.811)、急性効果100 vs. 98.8%(p=1.000)。合併症率0 vs. 3.6%(p=1.000)。透視時間2.6 vs. 18.4min(p<0.001)、透視線量エアカーマ17.5 vs. 78.5mGy(p<0001)、手技時間3.0 vs.2.5h(p=0.274)。
【結論】小児は放射線感受性が高い。先天性心疾患合併例を含む小児の様々な不整脈に対するアブレーション治療において、Fluoroscopy image integrated 3D mapping systemの使用により、透視時間と線量を大幅に減少することが出来た。急性効果率、合併症率、手技時間への影響はなかった。