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[I-OR114-03] SCN5A変異とBrugada症候群の臨床像
キーワード:Brugada syndrome、SCN5A、fever-induced
【背景と目的】昨年本学会で4家系10例のBrugada症候群を報告した。1家系で遺伝子異常が新たに見つかり、4家系全てでSCN5A変異を認めた。そこで、SCN5A変異と臨床像の関連について検討した。【方法】SCN5Aは28exonからなり、4つのdomain(Dと略す)を持つ。SCN5A変異部位を検討した。Brugada症候群の診断は安静時、高位誘導、pilsicanide負荷いずれかでType1を認めたものとした。【結果】家系1:SCN5A変異はexon17-23のduplication(D3あるいはD2-3linker領域に当たる、アミノ酸変異は検査中)。臨床像は安静時Type1±、高位誘導+、発熱時-、proband(9歳学校検診、現在20歳)はVT無し、無治療。父EPS陽性でICD、叔父突然死。 家系2:SCN5A変異はG1743Rで、D4pore領域。臨床像は安静時Type1+、高位誘導+、発熱時+、proband(3歳女、CHDフォローで発見、現在9歳)が発熱時VT、quinidine治療中。兄がmethylphenidateでVT、中止してquinidine開始し再発無し。父EPS陽性でICD。 家系3:SCN5A変異はT290fsX53で、D1pore領域、臨床像は安静時Type1-、高位誘導+、発熱時±、proband(6か月女、発熱時VTで発見、現在11歳)はquinidine治療中。父弟無症状。 家系4:SCN5A変異はR535Xで、D1-2のlinker領域。臨床像は安静時Type1-、高位誘導±、発熱時-、VT無し、AFとSSSあり。proband(13歳男、CHDフォローで発見、現在22歳)は無治療、levomepromazineでSSS、中止して消失。兄無症状、父EPS陽性でICD。【考察】pore領域異常の家系2、3は発熱時変化を示し、quinidine投与と積極的解熱が有効であった。中枢神経刺激薬でVTが誘発された。一方、linker領域異常の家系3は発熱で悪化することはなく、AF、SSSを合併した。抗精神病薬でSSSを示した。【結語】SCN5A変異部位とBrudaga症候群の臨床像の関連性をある程度認めた。