The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

成人先天性心疾患

一般口演1-22(I-OR122)
成人先天性心疾患

Wed. Jul 6, 2016 2:30 PM - 3:30 PM 第B会場 (天空 センター)

座長:
立野 滋(千葉県循環器病センター 小児科)
山村 健一郎(九州大学病院 小児科)

I-OR122-01~I-OR122-06

2:30 PM - 3:30 PM

[I-OR122-06] 先天性心疾患の移行医療における新しいデータマネージメントの試み-AMED研究事業より

白石 公1,2, 市川 肇1,2, 吉松 淳1,2, 黒嵜 健一1,2, 大内 秀雄1,2, 中村 文昭1,2, 宍戸 稔聡1,2, 安田 聡1,2, 赤木 禎治1,3, 八尾 厚史1,4, 丹羽 公一郎1,5 (1.日本医療研究開発機構研究班, 2.国立循環器病研究センター, 3.岡山大学医学部, 4.東京大学医学部, 5.聖路加国際病院)

Keywords:レジストリ、移行医療、DPC

[背景と目的] 近年の医療技術の進歩により多く先天性心疾患患者が救命され、成人期に到達するようになった。これらの患者では成人期以降の治療方針の決定と予後の改善に、小児期の検査結果や手術記録が重要な意味を持つ。しかし、これまでに外科や小児科などの診療科ごとに作成されたデータベースはその内容が統一されておらず、現在患者の生涯にわたる一貫したデータベースの構築が急務となっている。本研究では、先天性心疾患患者の生涯にわたる診療情報の統一を図るため、既存の複数のデータベースをコンピューター上で統合して新たなデータベースを構築し、先天性心疾患患者の長期予後の改善を図ることを目的とする。[方法] 15歳以上の先天性心疾患患者を対象として、匿名化したDPC、病院レセプト、成人先天性心疾患ネットワーク、小児慢性特定疾患研究事業などの既存のデータから、病名、生年月、診療施設名から患者データをコンピューター内で確率論的に連結させ、小児期から成人期までの患者の長期にわたる診療データベースを自動構築する。[結果] 2015年10月よりAMED主導で研究が開始され、現在対象となる全国の小児専門施設からデータの収集を行い、患者データの連結作業を試みている。2013年度に国立循環器病研究センターに入院した15歳以上の患者DPCと成人先天性心疾患ネットワークデータで突合を試みたところ、92.3%の患者で連結が可能であった。現在、小児期の診療データとして、DPCと小児慢性心疾患研究事業データとの連結を試みている。[結論]このシステムが完成すると、先天性心疾患患者の全国レベルでの横断的なデータベースを構築できるとともに、個々の患者における小児期から成人期までの一貫した縦断的なデータベースを確立することができる。医療行政への貢献のみならず、長期予後から見た小児期の治療介入の評価、患者の長期予後の改善、将来の臨床研究の基礎として貢献する可能性がある。