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[I-OR123-05] 先天性心疾患を持つ低出生体重児の検討
キーワード:低出生体重児、極/超低出生体重児、NICU
【はじめに】低出生体重児における先天性心疾患(CHD)合併の頻度や予後はまだ明確ではない。当院におけるその頻度や予後を調査した。【方法】2010年1月から2014年12月までに当院周産期センターに入院した2,500g未満のCHD児 (PDA除く)を後方視的に調査した。【結果】調査期間中に入院した低出生体重児は1,844例で死亡例が50例 (2.7%)だった。85例(4.6%)でCHDを診断され、低出生体重児(L児)が54例 (在胎37±2週、出生時体重2,121g±268g, VSD 26例, TOF 12例, ASD 9例, 他)、極低出生体重児 (VL児)が14例 (33±4週、1,276g±140g, VSD 9例, TOF 2例, ASD 2例, 他)、超低出生体重児(EL児)が17例 (27±2週、649g±153g, VSD 16例, PS 1例)だった。生後1週内に手術等で転院した例は4例だった (L児 3例, Truncus, 2,404g; TAPVR 2,476g; PPS 2,350g; VL児 1例, HLHS 1,293g, EL児 0)。染色体異常児は25例(29%)だった (L児 15例, 21 trisomy/18 trisomy/他 9/3/3; VL児 6例, 2/3/1; EL児 4例, 2/2/0)。死亡は5例 (5.9%)で染色体異常児が3例だった (L児 なし; VL児 2例, 18 trisomy, 多発奇形; EL児 3例, 18 trisomy 2, 敗血症1)。染色体異常、死亡例、転院を除いた平均在院日数はL児が36日、VL児66日、EL児185日とEL児で特に長かった。退院時修正週齢のL・VL児と全体との差は軽度だったが(全体/ CHDあり, L児, -0.2±3.2週/ 1.4±2.6週; VL児, 2.4±3.8週/ 2.3±3.6週)、EL児ではCHD児が著明に高かった(6.9±6.0週/ 13.2±10.7週)。【結論】低出生体重のCHD児は染色体異常の頻度が高く、染色体異常がない場合の予後は悪くはなかった。ただ、1,000g未満の場合の在院日数は長くその管理の困難さが示され、今後改善するための検討が必要である。