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[I-OR123-06] 新生児心ループス再発予防プロジェクト:SLE治療薬ヒドロキシクロロキンが再発リスクを下げるか?
キーワード:ヒドロキシクロロキン、新生児心ループス、抗SSA抗体
ヒドロキシクロロキンはSLEの標準的治療薬で、妊娠中にも安全に使用できることが知られている。最近、海外で本薬に抗SSA抗体関連の新生児心ブロックの予防効果があることが報告された。ヒドロキシクロロキンは胎盤移行性がありToll様受容体の抑制作用を介して効果を示すと考えられている。徐々に海外ではヒドロキシクロロキンが予防的に使用される頻度が増えているが、日本ではステロイドが経験的に使用されているのが現状である。一方、日本でも日本ヒドロキシクロロキン研究会の活動により未承認薬検討会議、世界初の臨床試験を経てヒドロキシクロロキンが2015年9月に欧米より半世紀遅れてSLEとCLEに承認された。しかし本薬の新生児心ブロックの予防効果についてはほとんど知られていない。そこで日本ヒドロキシクロロキン研究会と都立小児医療センター、国立成育医療センターの協力により、2016年に抗SSA抗体関連の新生児心ブロックの既往を有する妊娠に関する全国症例レジストリを作成した。前向きに本薬の予防効果を検証するためには全国からの症例の集積が必須である。本発表では、国内で初めて抗SSA抗体関連新生児心ループスの再発予防にヒドロキシクロロキンを使用した症例を紹介し、本レジストリに関する最新の情報について報告する。