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[I-OR129-07] Body mass indexと心形態機能変化
キーワード:Body mass index、心機能、肥満
【目的】成人ではbody mass index(BMI)の増加は心臓肥大を惹起し心血管疾患の高いリスクとなる。小児肥満と心臓肥大の関連も注目されているが、この変化がいつから出現するかはわかっていない。本研究はそのことを明らかにするため乳児を含む小児期のBMIと心形態機能変化の関係を検討した。【方法】基礎疾患のない小児1056例を対象に心エコーを用いて左室心筋重量/拡張末期容積比(M/V)、myocardial performance index (MPI)、isovolumic relaxation time (IRT)を算出した。BMI-z scoreと心エコー指標との関係を乳児期(1歳未満、n = 212)、幼児期(1-6歳, n = 281)、学童期(7-12歳, n = 438)、思春期(13-20歳, n = 281))に分けて解析した。【成績】全体ではBMI z-scoreと収縮期血圧、M/V比、MPI、IRTの間に有意な相関がみられた(r = 0.38, 0.40, 0.22, 0.14, p < 0.01)。各年齢においてもM/V比はBMI z-scoreと有意な相関が認められた(乳児、r =0.20; 幼児, r = 0.43; 学童, r = 0.37; 思春期, r = 0.30, p <0.01)。多変量解析ではBMIz-scoreと血圧はM/V比の独立した因子であった (R2=0.28, p < 0.01)。学童及び思春期のMPIはM/V比と有意な相関を認めたが (r =0.22, 0.16, p < 0.01)、乳児および幼児では有意な関係は認めなかった。【結論】本研究は、乳児肥満の左室は機能変化のない代償性肥大であるが、学童期になると左室肥大に伴う機能変化が出現しはじめる、ことを明らかにした。幼少期からの肥満予防は重要である。